発達障害のはなし③困った行動と効果的な対応法

この記事は2021年11月15日に作成および更新したものです。
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こんにちは。
この度はシリーズでお届けしている、発達障害のおはなしです。

実際に発達障害を抱える子どもたちが困っている行動について、その対応や支援の一例についてご紹介していきます。

発達障害と言ってもそれぞれの子どもたちによって抱える困りごと・症状は様々です。

今回は「自閉スペクトラム症(ASD)」「ADHD(注意欠如・多動症)」についてそれぞれまとめたいと思います。

また、支援の一例についてもまとめていきたいと思いますが、筆者は専門家ではありませんし、効果的な対応方法は子ども一人ひとりによって違ってきます。

一保護者として知り得た知識と息子の育児を通して得た経験をもとに書いていきますので、その点ご了承くださいね。


今までのシリーズはこちら↓↓

発達障害のはなし①【療育】ってなあに?
発達障害のはなし②【就学相談】ってなあに?

▼この記事を読んで分かること
◎発達障害を抱える子どもたちはどんなことで困っているの?
◎どのような声掛け・対応が効果的なの?
◎発達障害の子を持つ母が行っている対応の一例

この記事を読めば、発達障害を抱える子たちが抱える困りごととその対応が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.【自閉スペクトラム症(ASD)】の子たちの困りごと

ではまず、【自閉スペクトラム症】の子たちが抱える困りごとについてです。

この子たちが抱える問題は「ことばの遅れ」「癇癪・パニック」「こだわり」等があげられます。

また周りの人間が困ることとして「コミュニケ―ションの苦手さ」もあげられますね。

それぞれの困りごとが必ずどの子も抱えているというわけではなくて子ども一人ひとり抱える症状が違います

【自閉スペクトラム症】といっても「ことばの遅れ」がない子もいますし、癇癪・パニックはない子もいますね。

また年齢を重ねると言葉の遅れは気にならなくなったり癇癪は減ってきたりと、発達に応じて抱える困りごとは変化していくように筆者は感じています。

ことばの遅れ

まず一つ目は「ことばの遅れ」です。
これは自閉スペクトラム症を疑う最初の症状として取り上げられることが多いのではないでしょうか。
実際に筆者は息子の発達において「ことばの遅れ」というのは1歳の頃から気になっていました。
でもその時はタイに住んでいてバイリンガル環境にいたので、「発達障害かも!?」とまでは思ってなくて「この子は言葉の獲得が遅いよね~」くらいでした。
最近はインターネットでちょっと調べたら色んな情報が出てきて、大体何歳ごろには○○が出来て、○○語くらいの発語があって、、、のような情報も溢れていますね。
だからちょっとした遅れでも気にしてしまうママさんもいるのではないかと思います。

今になって思うのは、筆者の場合「ことばの獲得が遅れている」ということよりも「あまり人とコミュニケーションをとろうとしない」「共感が薄い」ということの方が気になっていたのかもしれません。
「ことばの遅れ」「コミュニケーションの苦手さ」の現れかなとも感じますね。
今は色んな療育法があり、早期から働きかけることでこの「ことばの遅れ」にも様々なアプローチができるようですね。

癇癪・パニック

そして2つ目は「癇癪・パニック」です。
癇癪は幼い子ならだれでも起こしますから特に珍しいものではないのかもしれませんが、発達障害を抱える子たちは大きくなってもなおこの「癇癪」に困っているということがあります。
筆者の息子の場合、3~4歳の頃に「癇癪」を起こすことが多かったです。
困りごとは相互に関係しあっていて、困りごとの一つである「ことばの遅れ」によって自分の想いをうまく伝えることが出来ないため癇癪を起していました。
つまり、嫌な思いがあったり要求があったりした時にその思いを言葉で表出できないがために「癇癪」という行動で表現していたんです。
ですので、言葉の獲得によって自分の想いをきちんと表出できるようになることで、癇癪は落ち着いていきました
他にも癇癪を起す原因として感情コントロールが難しい等も考えられますね。
また「癇癪」と明確な区分はないと思うのですが、「パニック」という困りごともあります。
これは「想像力の欠如」「同一性の保持を好む」という自閉スペクトラム症の特性からくるもので、急な予定変更が難しかったり、いつもと違うことが耐えられなくて起こっていると言われます。
パニック時の行動の一例としては泣き叫ぶ、暴言を吐く、物を投げるといった様々な形で現れます。
周りもびっくりしてしまいますが、本人もとても困っている状態なんですね。

筆者としては「癇癪・パニック」に対しては落ち着くまで待つ、クールダウンの方法を本人と共有しておく、言葉にできない気持ちを代弁し共感するというような対応を取っていました。
癇癪時の子どもの負のパワーに引きずられそうになることもあったので、そういう時は子どもの安全を確保した上でその場から離れるということをすることもありました。
親に対する注意引きの意味合いも大きかった我が子は母である筆者がいなくなることで落ち着くということも多かったです。
ただすべての子どもにとって万能な対応法というのはなくて、その子その子によって効果的な対応法は違うとは思います。

こだわり行動

そして三つ目は「こだわり行動」です。
特定のものごとやルールに強いこだわりを示し、好き嫌いが極端でとにかくマイルールにこだわったり、いつも同じ行動ばかりしたります。
自分の関心ややり方、ペースを維持することを最優先したいという志向が強くみられ、何かをやろうとするときに必ず同じ手順や方法に拘ります。
例えば、「いつも一番じゃないと気がすまない」「いつも同じ服じゃないと着られない」「勝ち負けにこだわる」「いつも同じ質問ばかりしてくる」等です。
思いが果たされないと癇癪やパニックに繋がることもあります。
また筆者が感じるのは不安が強くなると、こだわり行動が増えるということ。
こだわり行動は本人にとっての安心剤になってることもあるのかな、とも思います。
一方で「数字」「電車」「昆虫」等自分の好きなものに対しては情熱をもって学び、優秀な結果を収めることもあります。
こだわりといってもすべてが「困った行動」とはならないなと思っています。
我が子はとにかく数字が好きで計算や時計等、教えてもいないのに勝手に覚えて暗算は大人より速いのではないかと感じることもあるくらいです。

筆者は人に迷惑を掛けることもなく社会的に問題がないようであれば、本人のこだわりには寄り添っていきたいなと思っています。
また数字のような本人の得意なものに対しては、どんどんその力を伸ばしてあげたいなとも考えています。

2.【ADHD(注意欠如・多動症)】の子たちの困りごと

そして次は【ADHD】と言われる【注意欠如・多動症】の子たちの困りごとについてです。

「不注意」「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害のひとつですので「感情や行動のコントロールが難しい」「不注意・忘れ物が多い」というのが困りごととして出てきます。

【ADHD】の子たちも【自閉スペクトラム症】の子たちと同様に、どの子もすべての困りごとを同じように抱えているというわけではありません。

その子によって抱える困りごとは違います。

不注意・忘れ物が多い

ADHDの子どもたちの困りごと一つ目は「不注意・忘れ物が多い」です。
また「よくモノをなくす」ということもあるかもしれません。
「小学校から家に帰ってきたのはいいけどランドセルをどこかに忘れた」というような例も聞いたことがあります。
これは本人がうっかりしてるから起こる行動ではなくて、ADHDの特性によるものなんですよね。

また「不注意」という特性から「活動に集中できない」「外の刺激が気になって気がそれる」等の行動が現れることもあります。
これには早めの療育も有効なのかもしれませんが、刺激を少なくするように環境調整をしてあげることで集中しやすい環境を整えることもできますね。

感情のコントロールが苦手

そして二つ目は「感情のコントロールが苦手」ということがあります。
幼い子ならだれでもそうかもしれませんが、時にADHDの子たち感情コントロールが難しいという一面もあるかもしれません。
時に怒りの感情を爆発させてしまうこともあるかもしれませんが、それは発達特性によるもので本人の問題ではありません。

行動のコントロールが苦手

そして最後三つ目が「行動のコントロールが苦手」ということです。
これは「待つことが難しい」や「常にウロウロ立ち歩いてしまう」という行動として現れます。
また「指名されていないのに答えてしまう」等先生の口頭指示は理解できていても守ることが出来ないということもあるようです。
これらは、「衝動性」「多動性」という特性からくるもので落ち着きがないようにみられるかもしれません。
ついつい気になったものに反応してしまうので環境調整も重要になってくるのではないかと思います。
ADHDの子たちのこれらの困った行動に対しては、環境調整や行動への介入等の療育的な関りと平行して薬物治療を組み合わせることもあるようです。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は実際に子どもたちが困っていること、抱える症状について書かせてもらいました。

ついつい自分が自らの育児で体験してることは詳しく長く書いてしまいましたが、発達障害を抱える子どもたちが実際に困っていることについては様々です。

彼らの起こす困った行動は本人が怠けていたりわがままだから出るものではないですし、周りだけではなくて本人もとても困っているんですね。

同級生たちと比べてできない自分を感じたり大人に叱らる機会が多かったりと、辛い思いをすることも多いかもしれません。

筆者もついつい我が子の困った行動に感情的に怒ってしまっては自己嫌悪に陥るということがあります。

なるべく本人の優れた点にフォーカスして育児していきたいと日々思っています。

また今回は触れませんでしたが、偏食や聴覚過敏など感覚面についてもしんどさを抱える子も多くいます。

感覚面のことについては、また別の機会に詳しくまとめさせてくださいね。


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(担当ライター:サニー