発達障害のはなし⑤【受けられる福祉サービス】は?

この記事は2022年1月29日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
developmental-disability-main
こんにちは!

シリーズで書かせてもらっている『発達障害のはなし』です。
今回は筆者の知識、経験をもとに受けられる福祉サービスについてまとめたいと思います。

広島市の情報が中心になってしまうかと思いますが、どの自治体も同様のサービスを受けられると思いますので、詳しくはお住いの自治体にご確認くださいね。

ADHDや自閉スペクトラム症等、発達障害の診断を受けたものの、「これからどうすれば?」「どのような支援が受けられるの?」といった疑問についてまとめられたらと考えています。


『発達障害のはなし』シリーズ最初から読みたい方はこちら↓↓

発達障害のはなし⓵【療育】ってなあに?

▼この記事を読んで分かること
◎どんな福祉サービスが受けられるの?
◎どうやったら福祉サービスを受けられるの?

この記事を読めば、受けられる福祉サービスとその方法が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.受けられる福祉サービスは?

では早速どのような福祉制度が利用できるのかご紹介していきたいと思います。

筆者の息子は3歳半の時に子ども療育センターにて『自閉スペクトラム症』の診断を受けましたが、その後は定期的な診察で様子を確認するだけでした。

診断した主治医に「これから何をすればいいのでしょうか?」と聞いてみても「様子を見てあげてください」と言われるだけで具体的な療育等の案内はなくて不安に感じたのをよく覚えています。

そこで自分で自治体の窓口に赴き「なにかできることはないのでしょうか」と尋ねて色々教えてもらい、【児童発達支援】を教えてもらったのが始まりです。

診断名が付いたのに何もできないとなるとなんのための診断なのかわかりません。

出来ることがあるのを知ってほっとしたのを今でも覚えています。

では一つ一つご紹介していきます。

筆者の息子が利用しているものを中心にご紹介していきますが、その他にも「障害児短期入所事業」「日中一時支援事業」等の預かりの事業もあります。

それぞれ泊まりや日帰りで保護者の病気や就労、レスパイト目的に使用することが可能ですよ。

児童発達支援

まずは【児童発達支援】です。
児童発達支援は「障害児通所支援」に分類され、対象は未就学児です。
分かりやすく言うと、事業所に通い「療育」を受けることの出来るサービスです。
メインで受けるサービスというのはこの【児童発達支援】ではないかと思います。
やっていることは事業所によってさまざまでその形態もまた色んな種類があります。

★個別で一対一で療育を実施してくれる事業所
★小集団(4~8人位)で先生の一斉指示に注目する練習をしたり、みんなで集団活動したりといったことをする事業所

運動に力を入れているところやリトミックを取り入れたところ、机上活動に特化したところと内容も色々なので、どのようなところが苦手でどのようなところを伸ばしたいのか、子どもの得手不得手や好みから選ぶ必要があります。

同じ通所支援でも小学生~高等学校卒業まで使用できるのが、後述する【放課後等デイサービス】となります。
【児童発達支援】と【放課後等デイサービス】両方を運営する事業所もありますし、それぞれに特化した事業所もあり様々です。

筆者の息子は3歳の頃から【児童発達支援】を利用しています。
新しく始めたり途中で辞めたりして、年長の今となっては3つの事業所に通っています。
保育園の後や土曜日に通って日々療育を受けています。
ちなみに利用料金は「幼保無償化」の対象となり、年少の4月から年長の3月末までは無料で受けさせてもらっています。



詳しくはこちら↓↓

放課後等デイサービス

二つ目は前述した【放課後等デイサービス】です。

恐らく小学校や中学校の放課後に使用することからこの名前がついているのかな、と筆者は思っていますが、対象は小学生~高等学校の子どもたちです。
学校終了後や学校がお休みの日に通って療育を受けることのできるサービスです。
警報等での急な休校等に対応して一日預かりをしてくれる事業所もあり、共働き家庭にとってはとてもありがたいですね。

筆者の息子は4月から小学生となるので、今【放課後デイサービス】の見学・体験に色々事業所を訪れている最中です。
【放課後等デイサービス】の事業所は【児童発達支援】の事業所より遥かに数が多く選択肢も増えるので選ぶのが中々大変です。

ちなみに筆者が事業所を選ぶポイントとして大切にしていることを書いておきます。

【1】代表の方、指導員の先生方の人柄・考え、信頼できるのかどうか。
【2】利便性(自宅からの距離、送迎の有無)
【3】本人の好みと療育内容

これはいろんな事業所を見に行くうちに自分の中ではっきりしてきたポイントです。
事業所も様々、先生方の考えも様々です。
利便性は外せないポイントですし、内容も重要ですが、やはり指導員の方の考えや子どもに対する思いに納得した上で任せたいな、というのが筆者の想いです。
「息子に親以外に相談できる信頼できる大人がいたらいいな」、というのも信頼できる人に関わって欲しい理由の一つです。

保育所等訪問支援

そして次は筆者の息子も受けている【保育所等訪問支援】です。
その名前の通り保育所を始めとした集団活動を行う施設に支援員の方が訪問し、行う支援のことを言います。
保育所と書いてありますが、対象となるのは保育園だけではなくて幼稚園や小学校、中学校、特別支援学校など支援を必要とする子どもが集団活動を行う施設が対象となります。
支援内容は直接対象の子どもに支援する直接支援、保育園や学校の先生(指導者)に関わり方や環境設定について助言する間接支援の二つがあります。
月に1・2回訪問して支援を行います。

筆者の息子も年少の頃からこの【保育所等訪問支援】を受けています。
【児童発達支援】はすごく有難い福祉サービスですが、【保育所等訪問支援】も非常に有意義な支援だと感じています。
子どもたちが日々生活するのは学校や幼稚園・保育園です。
どうやったら快適に生活できるのか、より有意義な時間を過ごせるのか一緒に考えて支援してくださる専門家が付いてくれるというのはとてもありがたいですね。
例えば、運動会の練習に参加したくないという子に対してどうやったら参加できるのかを具体的に考えていったり、一部の集団活動を嫌がる子にまずどういうアプローチをしてくのか決めて実践したり、といった感じです。

日々の集団生活中で生じる色々な問題に対して保育園の先生と指導員の先生とで相談して支援方法を検討して実施して下さること、本当に有難く思います。

就学相談

また障害を抱える子どもたちは【就学相談】を受けることが可能です。
【就学相談】は過去記事に記載した通り義務教育を受けている児童なら受けることが可能ですが「年長児の時に小学校入学以降の就学先をどうするか」で相談する方が多いのではないでしょうか。
広島市では広島市青少年総合相談センターで【就学相談】を受けることが出来ます。
どの子も公平な教育を受けることが出来るように、その子その子に合った環境を学校見学をしたり相談員さんに相談したりしながら選択することができます。


詳しくはこちら↓↓

相談支援

また【相談支援】を受けることも出来ます。
どのような福祉サービスを受けるといいのか、困りごとに対してどのような支援が必要かを一緒に考え提案してくれる【計画相談支援】がその一例です。
役所に提出する利用計画の作成等に相談支援専門員さんが関わってくれます。
その子にはどのような支援が必要なのか、どのような通所施設が合っていそうか等、具体的な事業所を紹介しつつ相談を受けて下さるので助かります。

移動支援

最後に【移動支援】をご紹介します。

屋外での移動が困難な方が外出するために受けることのできる支援です。
いつもいつも保護者と一緒に出掛けるというわけにはいきませんから、ヘルパーさんに同行してもらいながら外出し、余暇活動をするというのはいい経験ですね。
この【移動支援】は児童も利用可能で、小学生もヘルパーさんと一緒に近くのスーパーに買い物に出かけてみたりと、地域社会で生活するために必要な経験を色々積めるようです。
また本来なら通学や通園等に移動支援を利用することは出来ないのですが、広島市は保護者の就労や疾病等必要と認められる場合には「通学・通所のための外出」も移動支援の対象とすることができるようです。
小学校への通学の付き添い等に使うことが出来るのはありがたいですね。

2.どうやったら福祉サービスを受けられるの?

では支援を受けるためにはどうしたらいいのか、をご紹介します。

基本的には前述したように自治体の福祉相談窓口に問い合わせ利用相談をするのが第一歩です。

受けられる支援、手続きについて教えてもらえると思います。

そこで必要な手順を踏んで、支給決定となると受給者証が交付され、福祉サービスの利用ができます。


対象児童

対象となる児童は年齢など、各サービスごとに微妙に異なります。
例えば、厚生労働省のホームページによると【児童発達支援】の対象児は以下の通りです。

集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる主に未就学の障害児
※通所給付決定を行うに際し、医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではなく、療育を受けなければ福祉を損なう おそれのある児童を含む

手帳(療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳)を持っていると児童福祉法に基づく福祉サービスを利用することが出来ますが、保持していなくても「医師意見書」があれば申請が可能です。

受給者証を利用

申請後支給決定となると受給者証が交付されますので、給付決定内容に基づき福祉サービスの利用が可能となります。
自治体によっては申請から給付決定まで一か月ほどかかることもありますので、待っている間に事業所の見学等をすることをおススメします。
事業所と契約後、各サービスが利用できますよ。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

意外とたくさんの福祉サービスを利用することが出来るんです。

ちなみに筆者の息子は【児童発達支援】、【保育所等訪問支援】、【相談支援】を利用しています。

就学先の決定においては【就学相談】も利用しました。

困りごとを抱える子どもたちが福祉の力を借りつつそれぞれの状況に応じた支援を受けられたらいいなと思います。

まずはお住いの自治体の福祉課の窓口に問い合わせてみることをおススメします。

きっとその子その子に応じて必要なサービス、福祉制度等を丁寧に教えていただけると思いますよ。

なお本記事は筆者の育児経験・知識をもとに『発達障害』に関連した情報をまとめたものですので、その点ご了承くださいね。


関連記事はこちら↓↓


発達障害のはなし① 【療育】ってなあに?

発達障害のはなし②【就学相談】ってなあに?

広島市ホームページ
こちら
(担当ライター:サニー