日本酒だけじゃない!西条酒蔵通りの楽しみ方

この記事は2021年4月2日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
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広島県東広島市にある「西条」は、兵庫の「灘」、京都の「伏見」と並ぶ
日本三大酒都のひとつに数えられています。
昨年はコロナウィルスの影響でオンラインでの開催になった「西条酒まつり」ですが、
例年は毎年10月に盛大に行われ、日本全国から日本酒ファンの方々が集まる
お祭りとしても知られています。

そんな西条地区にある「酒蔵通り」、
日本酒を楽しむのはもちろんのこと、
日本酒以外にもたくさんの魅力や楽しみ方があります。
本日はそれを少し、紹介したいと思います。

日本酒トリュフの食べ比べができる「御饌cacao(ミケカカオ)」

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西条駅の南口から徒歩5分もかからないところに酒蔵通りの入り口があります。
その入り口を入り、最初の十字路を右側に曲がり、南に3分ほども歩けば
チョコレート、焼き菓子専門店の「御饌cacao」に到着します。

ここは、西条町御園宇にある「菓子工房mike」のオーナーパティシエが
2019年11月にオープンしたチョコレートと焼き菓子の専門店です。

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築150年の古民家を改装して作られたお店に一歩足を踏み入れると、
キラキラと輝くチョコレートがずらりと並んだガラスのショーケースが目に入ります。

こちらのお店では、西条にある酒蔵の「日本酒」や「酒粕」を使って作られた
「日本酒トリュフ」やハートやコーヒー豆などの形をした「シェルチョコレート」、
「菓子工房mike」の焼き菓子が購入できる他、和室のイートインスペースで
チョコレートドリンクやソフトクリームをいただくこともできます。

こちらのイートインスペースは畳にちゃぶ台が用意されているので、
小さな子どもたちもママたちもゆっくり美味しい時間を過ごすことができますよ。

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「日本酒トリュフ」は、西条にある八つの蔵、それぞれの蔵元の日本酒を使って作られており、
ひとくち食べるとフワッと日本酒の香りと濃厚なチョコレートの風味が口の中に広がり、
口溶けも滑らかで、日本酒が大好きな方はもちろんのこと、
そうでない方でもとても美味しくいただけます。

それぞれの好みの蔵のチョコレートを「利き酒」ならぬ「利きチョコ」してみるのも楽しいですし、
コーティングやトッピングされているチョコレートが各蔵で違うので、
好みのチョコレートでトリュフを選んでみるのもいいかもしれません。

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蔵のロゴの入ったお猪口に「日本酒トリュフ」を入れて販売されているものもあるので、
甘いものもお酒も大好きな方への贈り物にもとても喜ばれると思います。

ヨーロッパで修行をされたショコラティエのオーナーパティシエが
とても丁寧に作られている味わい深いチョコレートをぜひ食べに行ってみてください。

名称
御饌cacao-ミケカカオ
住所
東広島市西条本町15-25
ホームページはこちら

くぐり門珈琲店で美味しいコーヒーやランチ、ソフトクリームはいかが?

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酒蔵通り入り口からまっすぐ東へ徒歩5分ほども歩けば「くぐり門珈琲店」に到着します。
ここは大正時代、この門をくぐった先は「花街」と呼ばれ、
「朝日座」という芝居小屋への入り口となっていました。

昭和初期まで映画や演劇が楽しめる娯楽施設の入り口として賑わいを見せていましたが、
平成に入り、そのかつての華やかさからは想像ができないくらい建物も老朽化し、
取り壊しの案も出ていました。
しかし、酒蔵通りの活性化のためにこの建物を残す必要があると判断され、
現在の姿に生まれ変わりました。

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お店の中に入るとロースターのマシンや色々な種類のコーヒー豆、コーヒーを淹れるための道具や
雑貨や焼き菓子などが並んでいます。

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こちらのお店の豆はペットボトルに入れられて販売されているので、
コーヒーの芳醇な香りと風味がそのまま封じ込められており、
持ち運びにもプレゼント用にもとても便利です。


2階はカフェスペースになっており、
日替わりランチや軽食、コーヒーやデザートがいただけます。
西条のお酒や米粉を使って作られた唐揚げの「コメカラ」や、
酒粕を使った「酒粕チーズトースト」など、
西条ならではの美味しいメニューの数々がありどれも本当に美味しいです。

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それから、コーヒーという点でも、
西条らしさという点でも少し違うのですが、
個人的には、国際品評会で三つ星を獲得した
ソフトクリームの「クレミア」が
ここでいただけるというのも、
とてもオススメしたいポイントです。
(クレミアのソフトクリームはあまり
あちらこちらで販売されていないので!)

2階のカフェでは、クレミアを使って
作られたパフェもいただけます。

この日はチョコレートのクレミアパフェと
カフェラテをいただきました。


このくぐり門珈琲店のある門をくぐり奥に進むと、休憩スペースや公衆トイレがあります。

名称
くぐり門珈琲店
住所
東広島市西条本町17-1
TEL
082-426-3005
ホームページはこちら

酒の仕込み水を汲んで帰ってお家でも楽しもう


そもそも、西条が酒処である所以として、お水が美味しいという理由が挙げられます。

西条にある龍王山という山の伏流水が10〜15年という長い年月をかけて
酒蔵通りの地下にある岩盤の下まで流れつき、それを酒の仕込み水として各蔵が利用しているそうです。
その水は鉄分が少なく、ミネラルを多く含んでいるため酒造りにとても適しているのだそうです。

それぞれの酒蔵の入り口あたりに「酒の仕込み水」の井戸があり、
一般の人もマナーを守って自由に持ち帰れるようになっています。
(時間帯や酒の仕込み時期には水が止まっていることもあります)

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酒蔵通りを散策していると、井戸の前で行列をなして
仕込み水を汲んでいる人々の姿がよく見受けられます。

お気に入りの蔵元の仕込み水を定期的に汲みに行かれる方も多く、
その仕込み水でコーヒーを淹れたり、水割りを作るのに使うという人や、
お米を炊いたり、お料理に使ったりと、その利用方法も様々で、
東広島の自然の恩恵をうまく生活に取り入れて楽しむことができます。

上記で紹介した「くぐり門珈琲店」のコーヒーも
西条の酒の仕込み水で淹れたものを提供されているそうです。

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筆者も酒蔵通りを訪れる際は、必ず水を汲んで帰れる容器を持参し、酒の仕込み水を汲んで帰り、
朝起きて一番に飲む白湯にしたり、コーヒーを淹れたり、パンを焼いたりしています。
水がまろやかで本当に美味しくいただけます。

酒蔵通りの色んな楽しみはまだまだあります。


その他、
かつて、広島東洋カープの球団が、存続の危機に陥った時や、新球場(現在のマツダスタジアム)の設立の際など、
広く市民に呼びかけて募金を集めた「たる募金」は有名な話ですが、
その時に使用された樽が福美人の酒蔵に展示されているので見ることができます。

また、マンホール愛好家にぜひチェックして欲しい美しいデザインのマンホールや、
昔の風情を残したままの素晴らしい建築物の数々が酒蔵通り界隈にあります。

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酒蔵通りのメインとなる道路は、地元の方が生活道路としても利用されているので、
どちらかといえば比較的、車がよく通る道です。
小さな子ども連れの方や、ベビーカーを押しての移動はくれぐれも気をつけてくださいね。

目的地が決まっている時は、メイン通りから一本路地を入ったところを利用して移動すると、
車の通りが少ないのでいいかもしれません。

今回はあえて酒蔵通りでありながら、
日本酒以外の楽しみ方をご紹介させていただきましたが、
もちろんこちらの酒蔵通りでは、西条が誇る日本酒もいっぱい楽しむことができます。
その楽しみ方も近々、ぜひ紹介できればと思います。


(担当ライター:まるぱん子