3歳から!4月のオススメ絵本『こびとづかん』『じごくのそうべえ』

この記事は2021年4月13日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。

今回は、“キモカワイイ”で大人気の絵本『こびとづかん』。と、

じごくに落ちた4人がじごくの中で大暴れする話『じごくのそうべえ』をご紹介しますね。

『こびとづかん』

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みなさんご存知の「こびとづかん」。
大人たちは一瞬「え!?なんだか気持ち悪い・・・」と思ってしまうようなこびとの絵。
でもこんな“キモカワイイ” がなぜか子どもからは大人気。

昆虫でもない植物でもない、ふしぎな生物「こびと」と少年の出会いから話が始まります。

ある日、犬のガルシアが何かの抜け殻を捕まえてきます。
少年はこれがなにか分からず、おじいさんに尋ねます。
するとおじいさんは「これはクサマダラオオコビトの抜け殻じゃよ」と教えてくれます。
さらに、世の中は他にもたくさんの種類のこびとがたくさんいることも教えてくれました。

その「こびと」とやらの種類がたくさん記録されたものが「こびとづかん」なのです。
早速、「こびとづかん」を借りて、こびとを探しに森へ入っていった少年。

森の中を探してみるとクサマダラオオコビトやリトルハナガシラなどさまざまなこびとに出会うのです。
こびとづかんによると、クサマダラオオコビトには、頭についた「トウチン」と呼ばれる触手のようなものがあり、それをつまんで捕まえるそうです。

またクサマダラオオコビトはとても臭いようで、触るときには注意が必要、とも書かれています。
ちなみに牛乳で洗ったらニオイが落ちるそうですよ。

他にもこびとづかんによると、リトルハナガシラは集団行動が得意だそうです。
捕まえるときは正面から捕まえにかかるとひどい目に遭うんだとか。
なので、捕まえるときは後ろから縄で縛るといいみたいですよ。

こんな風に「こびとづかん」には、本当に存在する生き物のように、いろんなこびとの種類や特徴が書かれています。

わくわくしながら、いろんな種類のこびとを虫かごに入れて帰った少年。
おじいさんはそこで少年に諭すように声をかけます。

こびとにも家族がいるということ、家族と離れ離れになった時に自分はどう感じるか、自分の好奇心だけで生き物を粗末に扱ってはいけないということ。

大人でもウルっときてしまうようなおじいさんの言葉。
子どもも大人も学びが多い本ですよ。

またこの「こびとづかん」のほかにも「みんなのこびと」や「いーとんの大冒険」「こびと桃がたり」などさまざまなシリーズがあるので、ぜひ一度子どもと一緒に読んでみてくださいね。

書籍紹介



作・なばたとしたか

出版社:ロクリン社

『じごくのそうべえ』

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一見、おどろおどろしい表紙の「じごくのそうべえ」。
手に取るのも一瞬迷ってしまいます。
ですが、意外とおもしろいのがこの絵本。

というのも落語の「地獄八景」がモチーフになっており、起承転結もしっかりしており、またそれが関西弁を駆使した文章になっているので、関西弁風に喋るだけでも、引き込まれること間違いなしです。

登場するのは、軽業師(かるわざし)のそうべえと、医者のちくあん、山伏(やまぶし)のふっかい、歯医者のしかいの4人。

※軽業師(かるわざし)は、今でいう曲芸師のような仕事をする人のこと。
※山伏(やまぶし)とは山の中で修行している僧のこと。


そうべえが綱渡り中に綱から落ちてしまい、目が覚めたらそこは地獄だったところから物語は始まります。

4人は、鬼が漕ぐ舟に乗って三途の川を渡り、じごくへと行ってしまいます。
そこで現れたのがえんま大王。
最初、えんま大王から3人にじごくへ行く理由が述べられます。
しかし、ここでそうべえだけは特にじごくに行く理由もなく、理不尽な理由でじごく行きを命じられるのです。

「そんなせっしょうな~」と言いながら、4にんはじんどんきと呼ばれる大きな鬼に食べられますが、歯医者のしかいが、じんどんきの歯を抜いてしまったり、丸のみにされた4人は医者のちくあんに教えてもらい、お腹の中で大暴れします。

じんどんきのお腹の中にある線を引っ張ってみたり、棒をひっぱってみたりすると、じんどんきがくしゃみをしたり笑ったり痛がったりするのです。

話のスピード感もすごいですが、これを関西弁で話すとさらに痛快さがあふれ出て、ページを開くごとに子どもたちは大笑いします。

じんどんきの中で大暴れした4人は、次は熱湯じごくへと送られます。
しかしここでは山伏のふっかいが大活躍。
おまじないをかけて、熱湯をぬるま湯にしてしまい、まったく効果をなくしてしまったのです。

最後に送られたのがはりの山。
ここでは軽業師のそうべえが3人を抱えて、はりの山の頂上まで行ってしまいます。

さすがのえんま大王もお手上げ状態。
最後はじごくから放り出され、4人とも生き返ってしまうという落語らしいオチとなっています。

話のテンポもすごくよくて、とても怖そうなおどろおどろしい鬼たちを目の前に、困難を乗り越えていくそうべえたちに子どもたちは大爆笑です。

累計100万部を超え、保育園や幼稚園でも人気が広がっているロングセラーの絵本。
一度ぜひ読んでみてください。

書籍紹介



作・たじまゆきひこ

出版社:童心社

(担当ライター:近藤恵