安佐動物公園の裏側 -みんなが大好きな施設をもっと知ろう!シリーズ-

安佐動物公園の裏側
「asazoo」の愛称で親しまれている広島市安佐動物公園。「毎月行く」なんてファミリーも多いかもしれません。今回は、そんな安佐動物公園の裏側にお邪魔して、動物たちのご飯を作る部屋や飼育係さんのお仕事などを取材しました。
もっと「asazoo」が好きになる!もっと「asazoo」を楽しめる!そんな内容満載でお届けします。


動物園の裏側の施設紹介

食べ物

エサごとに分かれた部屋

安佐動物公園では、獣医師が動物たちのエサを管理しています。動物ごとにエサの種類や量、食べさせ方が細かく決まっていて、担当の飼育係がエサをあげています。エサを管理する場所も、ペレット(固形飼料)、乾草、野菜、肉魚、ミルワームなどの生き餌で分けています。

命をできる限り役立てる

人間が食べない鶏頭(ニワトリの頭の部分)や卵を産み終わった廃用鶏も、仕入れて肉食動物のエサにしています。肉の部分だけでなく、骨や内臓も丸ごと与え、命をできる限り役立てます。


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野菜や果物のカットの仕方も動物ごとに工夫しています。左の写真は小鳥舎の鳥たち向けのカット。たくさんの鳥が食べられるように輪切りにして、木の枝や地面にセットします。


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ドックフードのように動物の食べ物、栄養素を固めたエサ、「ペレット」。動物ごとに多種多様なペレットを揃えています。例えば、フラミンゴ用ペレットは、独特な嘴ですくって食べやすいよう、水面に浮く性質があり、ピンクの体色のもととなる色素が入っています。数か月保存がきくので非常食にもなります。


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草食動物の主食の乾草は1つの重さが20~30㎏も!


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肉のエサの中で一番高価なのは、チーターが食べる馬肉!


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猛禽類には、ひよこ(冷凍エサ)も大事な食糧です。


病院

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治療から検査、薬局まで完備

レントゲンやエコーもできる処置室、血液検査などを行う検査室、多くの薬が並ぶ薬品庫までが揃っています。また、解剖室も隣にあり、亡くなった動物はすべて解剖して死因を調べます。解剖後も、骨を標本にして子どもたちの教材にしたり、サンプルを研究に生かしたりと、命を無駄にせず次につなげていきます。


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レントゲン(左)では個体ごとにデータを管理。またエコー(右)の導入で、以前より胎児の様子も格段にわかるようになりました。ここでは定期健診も行っていて、大型の動物については飼育室に出向いて診断や手術を行います。


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検査室では、血液や皮膚片、糞尿などを顕微鏡でみて、異常の有無を調べます。


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ライオンの健康診断では麻酔銃を使います。麻酔の効きはだんだん弱くなるので、1人が麻酔の効き具合を常にチェック。他の人員で検査を一気に進めます。スピード勝負です!


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病院の周辺には、様々な理由で展示できない動物や交通事故などで保護された野生動物もいます。


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みんなから見える『スイギュウ舎』はこんな感じ


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アフリカスイギュウさんから見える『みんな』はこんな感じ!


広報スタッフの『耳より情報』

ぴーちくパークで動物たちとふれあって

「ぴーちくパーク」は園内で動物と唯一ふれあえる場所なので、ぜひ動物たちの毛や体温を感じてもらい、動物も同じように生きていると実感してほしいですね。また、土日は来園者が多く、ヤギたちが逃げることもありますが、平日はゆっくりふれあえることが多いのでオススメです。そんな「ぴーちくパーク」にいる鳥たちは、冬から春にかけてが繁殖期なので、一年で一番羽がキレイですよ。


親子で観察のススメ

小さいお子さんは、動物のいろんなところに興味を持ちます。急かすことなく、ぜひゆっくりとお子さんの感想を聞いて、共有してあげてください。そしてもしイベントに参加したなら、飼育係にいろんな質問をしてみてください。飼育係は自分が担当する動物たちが大好きです。その動物たちのことをもっと知ってほしいと思っているので、たくさんおしゃべりしてくれるはずです。


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あさ図鑑アプリ

園内マップからどうぶつ図鑑、フォトアルバムまで、asazooの動物たちを、もっと知って好きになれる公式アプリです。


飼育係さんのお仕事密着

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毎日行う蹄の手入れ。水洗い→こすり洗い→油を塗って仕上げます。その後はブラッシング。「昨日は大丈夫だったのに、今日はここを触ると嫌がるな」などブラッシングでポニーの体調もチェックしながら体をきれいにします。同時に、飼育係さんとポニーの大事なコミュニケーションにもなります。


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ポニーは4頭いて、みんなメス。頭がいい動物で、序列もはっきり決まっているそう。そんなポニー舎の掃除では、まず汚れた稲藁とキレイな稲藁とを分けます。それをしながら、ウンチの色や量を見て、体調に変化がないかをチェックしています。


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アフリカスイギュウには、青草や乾草、ペレットをあげます。母娘のうち、娘の「コサック」はペレットを食べすぎるとお腹を壊しがちなので、整腸剤を混ぜてあげます。


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野生のアフリカスイギュウは岩などを舐めて塩分を摂取します。動物園でも同じような行動が見られます。動物たちが部屋の中にいる間に、こうした外の掃除も行います。ちなみに、国内でアフリカスイギュウがいるのは4か所だけ。サファリ形式ではない動物園でアフリカスイギュウが見られるのは安佐動物公園だけなんです!


阿部園長に聞く“安佐動物公園”

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8代目園長 阿部勝彦さん


安佐動物公園は1971年に開園しました。当時の子どもたちの「自分たちの街に動物園がほしい」という声から計画がスタートしたと言われています。元々アップダウンが激しい場所に造成したので、園も高低差を活かした造りになっています。なお中四国で一番広い動物園でもあります。

ここにいるのは約130種類1700頭の動物たちです。中でもオオサンショウウオは、開園前から調査を始めていた動物です。開園当時はエサも繁殖方法もわかりませんでしたが、今は100回以上の繁殖に成功しています。ちなみに、一番長く生きている個体が今43歳です。オオサンショウウオの研究に関しては日本一を自負できる当園でも、実はオオサンショウウオがどれくらい長生きするのかはわかっていません。

繁殖を得意とする当園では、クロサイにも注目してください。これまでに安佐動物公園で生まれたクロサイは19頭、これは国内で断トツの数です。ここで生まれたクロサイが全国いろんな動物園で暮らしています。

そして2025年はマルミミゾウ「メイ」の出産が控えています。マルミミゾウは「深刻な危機」に分類される絶滅危惧種で、妊娠しているのは本当にすごいことです。国内初となるマルミミゾウの出産は8月〜10月頃の予定です。

マルミミゾウもクロサイも、密猟などにより野生では絶滅の危機に瀕しています。こうした動物たちを動物園で繁殖させ、種を維持していくことは動物園の役割でもあります。テレビやネットといった画面の中だけではなく、遠い国に行かなければ見れない動物を間近に見ることができ、その声や匂いを感じて現地のことを考えてもらい、この動物たちを守ってあげたいと思ってもらえることが、動物園の願いです。


名称
安佐動物公園
住所
広島市安佐北区安佐町大字動物園
TEL
082-838-1111(代)
開園時間
9時~16時30分(入園は16時まで)
休園日
毎週木曜(祝日は開園)
12/29~1/1
※繁忙期など臨時開園あり
入園料
大人510円
小人・65歳以上170円
駐車料
軽・普通自動車450円
ホームページ
安佐動物公園 asazoo