《広島県警に聞きました!》[事件][事故]から我が子を守るために

[事件][事故]から-我が子を守るために
子どもたちが巻き込まれる痛ましい事件や事故が後を絶ちません。
悲しい思いをする人が一人でも少なくなるようにまずは子どもたちの一番近くにいる私たち保護者が知り、意識し、実践することから始めましょう。
今回は、事故について広島県警交通企画課の木谷浩之警部に、事件については人身安全対策課の大宮千幸警部にお話を伺いました。



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未就学児が巻き込まれる犯罪の現状は?

令和5年の県内での中学生以下の子どもたちへの「声掛け・つきまとい・許可のない写真撮影等」の発生件数は1,072件で、前年より60件増加しています。このうち未就学児の数は32件(7割が声掛けと写真撮影)です。令和6年6月末現在では全体で486件、このうち未就学児は21件で、こちらも昨年より割合が増加しています。一方、件数の増加は、子どもたち自身の写真を撮られたという認識、周囲の目撃情報、そこから早い段階での通報があったと捉えることもできます。なお、これらが発生する場所は路上が多く、発生時間は午後2時〜5時が全体の約半数を占めています。



犯罪などに遭わないための保護者の心構え

①子どもから目を離さない
いろんなことに興味を持つ子どもが保護者から離れないように手をつなぎましょう。

②日頃からの子どもへの声かけ
「公園や買い物は保護者が見える範囲にしか行かない」「知らない人について行かない」「保護者や病院以外でプライベートゾーンを見られることがあったら必ず教える」ことを伝えましょう。特にグルーミング対策として、知っている人と知らない人の線引きも明確に伝えましょう。

③情報をキャッチする
県警では【オトモポリス】アプリで不審者情報などを細かく発信しています。ぜひダウンロードして犯罪発生状況を把握してください。


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子どもたちに意識させておきたいこと

身近に危険が潜んでいることを子どもに話して理解させましょう。就学前なら実際に通学路を歩いて、「こども110番の家」やコンビニなど、どこに助けを求めたらいいかシミュレーションしてみてください。小学校で習う「いかのおすし」を就学前から家庭で話題にするのも有用です。また、公園の植え込みの陰やショッピングモールの死角など、危険な場所というのは、入りやすく(=犯罪者が近づきやすく)見えにくい(=犯罪者が逃げやすい)ものです。大人がそうした場所に注意を向け、外出や買い物の機会に子どもにその場所を意識させましょう。大人と子どもの目線は異なるので、いずれも子どもの目線に立ってみることも大切です。また、もしも子どもが犯罪に巻き込まれたり被害を打ち明けてくれたら、ショックで冷静さを失うかもしれません。ですが、「よく話してくれたね」と子どもの勇気を認めてあげることが、子どものケアにつながることも覚えておいてください。


就学前に家族で話そう「いかのおすし」

ついて「いか」ない
車に「の」らない
「お」おおごえをだす!
「す」ぐにげる!
おとなの人に「し」らせる




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広島県の交通事故の現状は?

県内の人身事故件数は、平成14年以降、概ね減少傾向にあります。これは、県民の皆さんの交通安全意識の高まりや交通安全教育の徹底などによるものと思われます。しかし、依然として、歩行者が被害に遭う事故や高齢の方が亡くなられる事故が多く発生している状況となっています。一方、幼児の事故を見ると、飛び出しやひとり歩きの時に事故に遭うケースがあり、幹線道路よりも幅員の狭い生活道路の方が件数は多くなります。この他、駐車場において運転者の死角で事故に遭うケースや、車両同乗中の事故、幼児自身が運転する自転車の事故もあります。保護者の皆さんは、必ずチャイルドシートを使用してください。また、自転車を利用させる時は、ヘルメットを着用させてください。


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事故を防ぐための保護者の心構え

歩行者信号が青色点滅になっているのに横断歩道を渡っていませんか?子どもは大人の行動をよく見ているので、まずは保護者や周囲の大人が子どもの手本となり、正しく安全な交通行動を実践することが大切です。子どもの事故で最も多いのが「飛び出し」によるものです。道路を歩くときは手を離さない、目を離さないようにし、横断の方法も繰り返し伝えてあげてください。その際、子どもが興味を持てるよう楽しく教えるのもポイントです。また、保護者はドライバーにもなります。学校や公園などの近くでは子どもの急な飛び出しを予測するなど、子どもに対する思いやりの気持ちを持ちましょう。


子どもたちに意識させておきたいこと

一般に幼児の特性として

● ひとつのものに注意が向くと、周りのものが目に入らない(遊びに夢中で車に注意が向かない等)
● ものごとを単純にしか理解できない(車の死角や制動距離について理解できない等)
● 大人の真似をする、大人に依存しやすい(他人の危険な行動を平然と真似する等)
● 応用的動作ができない(いつも通る道路では交通規則を守れても、別の道路ではそれができない等)
● 水平方向の視野が狭い(大人は約150℃、幼児は約90℃)

といったことがあります。保護者はまず、これらの特性を理解した上で、道路を横断するときには【止まる】【見る】【待つ】ことを意識させましょう。また、標識の意味や信号機の色の意味、左右の確認、自分の身は自分で守ることなどを教えてあげましょう。就学前には通学路を一緒に歩いてみましょう。交通安全教育は、繰り返し伝えて、習慣付けることが大切です。