幼児期に伸ばすべき力〜非認知能力〜
■壮大な実験
今回は幼児教育について興味深い研究を紹介したいと思います。それはノーベル賞経済学者のジェームズ・ヘックマンが40年以上にわたって追跡調査をした、驚くべき壮大な実験とも言える研究です。幼児期に大切な教育とは何か?その答えをお教えします。
■幼児期に育むべき「非認知能力」
ジェームズ・ヘックマンは幼児期に育てるべき力として非認知能力が大切だと唱えています。一般的に学力や賢さを測る際には、テストやIQなどで数値化して計測します。これを認知能力と言います。反対に、数値化して計測することが難しい力のことを非認知能力と呼びます。ジェームズ・ヘックマン教授は、「ペリー幼稚園プログラム」と呼ばれる教育プログラムを実践し、その結果を40年以上に渡って記録しました。その研究結果によると、幼児期に非認知能力が育まれた子どもは、大人になっても学力が高いだけでなく、所得・持ち家率が高く、逮捕率が低いという結果が出たのです。
■非認知能力を伸ばすには
非認知能力には、意欲(目標に向かって頑張る力)、社会的適性(人とうまく関わる力)、自制心(感情のコントロール力)などがあります。これらを伸ばす方法、それは人と人との関わりや経験を大切にすることです。園や学校では、子どもたちは先生や友達と様々な関係性の中で楽しいことも嫌なことも含めて多種多様な経験をします。そういった経験の中で少しずつ非認知能力が伸びていきます。大人が先回りして課題を解決するのではなく、子どもの思いに寄り添い共感し、愛情たっぷりに接する中で自己肯定感を育み、様々な経験を通して自然と非認知能力が伸びていきます。
■英語教育と非認知能力を両立!?
つきのひかり国際保育園やフルムーンインターナショナルこども園では、英語イマージョン教育というバイリンガル教育を取り入れています。外国人講師が子どもと長時間一緒に生活や遊びをともにする中で、母語を習得するように英語に触れます。英語を「勉強」するのではなく、遊びや生活の中で「経験」を通して英語教育と非認知能力の育成を両立することができます。また、非認知能力に通ずる全人的な教育を特徴とする国際バカロレア教育も取り入れています。様々な人種や言語があふれる多様性のある環境で、非認知能力を伸ばす魅力的な幼児教育を提供できる環境を目指しています。