知恵と創意工夫で未来を拓く

昨年も新型コロナウイルス感染症のため不安な空気に包まれた年でした。学校では、児童も教職員も制約と我慢の中での暮らしが続きました。そして、今もその心配は続いています。本校では、未来を見据えた教育の一つとしてICTの活用を手掛けていた矢先の一斉休校。幸いにも一年生から六年生までオンラインでの学びを継続することができました。のちの調査で分かったことですが、学校と家庭の双方向の学びを継続できたのは、全国で約5%だったと聞いて、驚きました。思えば、常に未来志向の教育にまい進してきた教職員の努力と創意工夫、児童の主体的な学びへの意欲と知恵の賜物だったと思います。

なぎさでピクニック…

例えば、遠足。これまでの遠足は、同じ日に全学年一斉に学校から少し遠い場所へ出かけていました。学校の目の前にある身近な水鳥の浜公園での遠足を計画してみると遊ぶ時間がたっぷりあることに気づきました。各学年の遠足リーダーたちは、たくさんの時間なのでやりたい遊びをいくつもいくつも考えてみんなで楽しめるように工夫しました。当然、密を避けるため、同一日に行うことはかないません。学年単位で毎日どこかの学年が遠足に出かける一週間。八つも遊びを考えた学年もあり、やってみるとみんなに大好評。次年度もこの形で行おうとしています。遠足のあり方の一つとして、「なぎさでピクニック」が加わりました。

NET(Nagisa Enjoy Time)

以前にも紹介しましたが、昼休憩と掃除時間をあわせた45分間の異年齢での遊びの時間。一年生から六年生まで十数名のグループ遊び。当たり前のように一年生が楽しめる遊びをリーダーたちは工夫します。「おにごっこ」「だるまさんがころんだ」等々。高学年が本当に楽しめる?との心配は無用です。例えば、「だるまさんが寝転んだ」「だるまさんが体操座り」等々、鬼は次々と要求します。みんなの様子があまりに楽しいので、みんな大笑いです。寝転んでも大丈夫な天然芝ならではの遊びがまた一つ増えました。

未来に生きる力

学習以外の時間での「体験」が子どもたちの学力形成や成長に及ぼす意味は、様々です。自分と異なる年齢や価値感などをもつ他者に出会うことで視野が広がったり、相手との関わりを通して自分自身をよりよく知ったり、思考力や判断力を養ったり、何より助け合うことで相手を深く理解したり。グローバルな人材育成に欠かせない他者理解やコミュニケーション力など、未来に生きる力を育んでいるのです。




渡邊あけみ校長