うちの子、発音が気になる？

器質的な問題：口の中の構造が関係しているケース。たとえば、口蓋裂（こうがいれつ）や舌小帯の短さ、アデノイドや扁桃腺の肥大、歯並びの問題などが発音を妨げることがあります。
難聴：音が聞こえにくいことで正しい音を聞き取り、まねることが難しくなるケース。
機能性の問題：明らかな身体的・聴覚的な異常がないにもかかわらず、発音の獲得がうまくいかない状態。

また最近では、マスク生活によって大人の口元が見えにくくなったことや、親子の会話・スキンシップの減少など、環境の変化も発音の習得に影響を与える可能性があると指摘されています。他にも発達障害が見つかるケースもあります。

日本語のさまざまな音は、小学校入学前後あたりまでにおおむね習得できるとされています。特に、舌の細かな動きを伴う「さ行」や「ら行」などは、最後に習得することが多く、3歳頃では不明瞭でも問題ない場合もあります。
とはいえ、4〜5歳になっても言い間違いや発音の不明瞭さが続く場合は、少し注意が必要です。

発音が気になるときは、まずご家庭で簡単にチェックしてみましょう。
たとえば、動物図鑑やキャラクター図鑑を一緒に見ながら、「これはなに？」と問いかけてみてください。「しんかんせん」「さかな」「くま」など、身近な単語を通して、お子さんの発音をさりげなく観察することができます。
発音が不明瞭だったり、特定の音がうまく言えない、その上で気になる状態が続くようであれば、専門機関への相談をおすすめします。

相談先としては、まずかかりつけの小児科や耳鼻咽喉科が一般的です。耳の聞こえや鼻・のど・舌の状態を確認し、必要があれば専門施設と連携して対応が進められます。発音の習得は小学校入学ごろまでが一つの目安とされていますが、早く気づいて対応するほど改善の見込みも高くなります。
一部の自治体では、５歳児健診で発音チェックを取り入れる動きもありますが、地域によって実施状況は異なります。不安な場合は、健診を待たずにいつでも相談して大丈夫です。お子さんの発音について少しでも「気になるな」と感じたら、一人で抱え込まず、まずは専門機関に相談してみましょう。

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