新型コロナウイルスの性質と対応の変化

新型コロナウイルスはどんなに気をつけていても、誰もがいつ感染してもおかしくない状況になってきています。“かぜに近い症状が多い”ともいわれていたオミクロン株。ウイルスの性質が変わり、以前と比べて医療機関の体制も新型コロナウイルスとともに変化しています。


重症度が減った分、感染力がより大きくなった

変異を繰り返しながら日本でも感染者を出し続けている「オミクロン株」。今年1月から夏までオミクロンBA・2株が流行でしたが、夏からはBA・5株が主流になりました。さらに最近では新たな株の流行も予想されています。
オミクロンBA・2株は、従来と違って咳のひどさはなく、発熱、喉の痛みが目立つなどいわゆる風邪症状に近いものでした。対してBA・5株は、40度近くの高熱、食事が喉に通らないほどの咽頭痛、激しい咳が出る、けん怠感を訴えるなど、少し症状の強い人が目立ちはじめています。
もちろん感染者数が多ければ、症状の強い人もいるでしょうし、その割合は別として、診療中にそのような症状を診る機会が増えたことは事実です。一方で「1日で熱が下がって、念のために来院しました」と、普通に外来に来られて検査の結果、陽性と診断することも増えています。


検査

従来はPCR検査が中心。今は検査抗原キットの精度が高くなり、容易に診断できるようになりました。検査結果も従来と比べると、早く診断がつくケースが増えてきています。


「根治的」な治療法というものはありません

新型コロナウイルスには「根治的」な治療法というものはなく、対処療法が主体。治療薬には制約があり、基礎疾患のある人や身体的にリスクのある65歳以上の高齢者を中心に投与し、お子さんに投与することはほとんどありません。多くの人は対処療法となり、自然治癒によって快方に向かいます。


治療先

新型コロナウイルスで陽性と診断された場合には、診断された医療機関に相談することや、もしくは広島県オンライン診療センターを活用してください。新型コロナウイルスで療養中の人はオンラインで診察を受けることが可能になりました。ここが一番大切なのですが、かかりつけ医を受診する際は、いきなり訪問するのではなく、まず電話で状況を説明するのがベストです。そうすることで、他の患者さんとの接触を避けて問診・検査を案内するなど、病院側も適切な準備ができます。





今井崇勝院長