気になる赤ちゃんの耳の臭い

赤ちゃんの耳ってこんなに臭うもの?


 「耳が臭うんです!」と時々このような症状でお母さんが心配してよく来院されます。主な原因として、1つ目は中耳炎、2つ目は綿棒による耳掃除によって偶発的外傷で感染を起こすこと、3つ目は生後間もなくあまり寝返りのできない時期には、一方の耳を下にして寝ていること。そうすると下になった耳は湿度が高く、湿って臭うことがあります。そもそも耳垢は、汗腺の一種「アポクリン腺」と組織的に同じ。実は脇と同じ臭いがする成分が耳にもあり、特に耳の中が蒸れると強く臭いがちです。耳が臭うタイプはとして、大人も子どもも関係なく、耳垢が柔らかいタイプの人になります。ただ耳から臭いがしてもすべてが異常というわけでもありません。


自宅で様子見のよい場合

•かゆがる様子もない
•耳だれも出ていない
•痛みもない
•綿棒に付けたら臭う
•近づくと臭う

といった場合は、しばらく様子をみてください。
 逆に耳だれ、耳をよく触りながら機嫌が悪いとき、風邪を引いたあとは中耳炎が疑われます。他にも耳から離れていても臭う場合は受診した方がよい可能性があります。


病院を受診した方がよい場合

•離れていても臭う(耳の臭いに加え…)
•耳を触る
•耳だれ
•機嫌が悪い
•風邪を引いたあと

治療としては、まずはきれいに耳垢を掃除して、炎症がある場合には耳に入れる塗り薬をします。中耳炎であれば基本的には抗生剤の内服治療を行い、薬で治療しながら経過観察となります。


63-耳の臭い

耳の掃除について


 耳には自浄作用があるため、溜まった耳垢を外へ送りだす働きがあります。耳かきや綿棒で奥まで無理に耳掃除をする必要はありません。最終的には耳垢になって自然と耳の外に排出されます。ですから、正しい耳掃除は月1回程度、耳の入り口を優しくぬぐうことです。
 それでも取れない、よく見えない、など気になるようでしたら、遠慮なく耳鼻科で相談してください。耳鼻科での耳掃除は保険適用です。耳掃除だけの受診もできます。





今井崇勝院長