お子さんの花粉症によるアレルギー性鼻炎は年々増加。その理由には3つあり、《①杉が樹齢のピークを迎えて、一番活発な時期》《②子どもの環境や免疫力の変化》《③親からの遺伝》が挙げられます。しかも花粉症が一度、発症すると病院に行っても治るものではありません。発症前でも花粉にふれる時間をできるだけ減らして、日常的にできることを知り、予防してあげたいものですね。まずは情報を活用して、外遊びや外出の時間帯を検討しましょう。特に飛散が多いのが通園時間帯の朝方と夕方です。マスクを着用するときは、隙間なく口と鼻がちゃんと密着させることが大切です。また家に花粉を持ち込ませないように、帰宅時の衣類はよく払い、洗濯物は部屋干しにすれば、加湿器代わりになり、湿度が保てます。この時期連日、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがあるようなら、診察を受けることをおすすめします。
花粉-食物アレルギー症候群
くだものや野菜を食べると喉がイガイガ…
花粉症になると食物アレルギーになることも
花粉症になっている時期に、果物や生野菜を食べた時に口、喉、舌などにイガイガ感やかゆみ、腫れなどのアレルギー症状が出る疾患を「花粉-食物アレルギー症候群」と言います。症状が現れても、多くはしばらくすると自然に治るものの、まれにじんましんやぜんそくなどの呼吸器症状を引き起こすこともあります。花粉症の人が全員が発症するわけではないので、過度に恐れる必要もありませんが、食品でアレルギー症状が出ていると感じる場合は、専門医に相談をしてみましょう。
花粉に反応のある野菜や果物
1月〜6月 | シラカバ ハンノキ |
リンゴ、桃、大豆など |
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2月〜5月 | スギ ヒノキ |
トマトなど |
5月〜10月 | オオアワガエリ カモガヤ |
メロン、スイカ、トマト、キウイなど |
7月〜11月 | ヨモギ | セロリ、ニンジン、マンゴーなど |
ブタクサ | メロン、スイカ、キュウリ、バナナなど |
5歳からできるスギ花粉症の最新治療【舌下免疫療法】
舌下免疫療法は、アレルギーの原因になるスギ花粉を舌下から服用し、3年から5年かけて体を少しずつ慣らしながら症状を軽減する治療法です。これまでの症状に比べて約70%の患者さんに効果があったとの報告がなされています。ただ短期間の治療ではなく、この期間は毎日服用しなければなりません。月1~2回は通院して、薬の副作用がないかどうか、花粉シーズンにさらに体調の変化などを観察します。服用は1日1回、ベロの下に錠剤を1分間保持おくだけ。運動やお風呂に入る2時間前後は使用禁止なので、当院では朝一番に服用してもらっています。特に副作用として起こるアナフラキシーショックは日中よりも舌下直後。病院もすぐに対応できる時間帯です。治療には根気が必要ですが、深刻な症状のお子さんにはおすすめします。