注意してほしいヘッドホン難聴

ヘッドホン難聴とは


 イヤホンやヘッドホンで音楽やゲームを楽しんでいる、という人に知ってほしいのがヘッドホン難聴(=聞こえにくさ)につながるリスクです。ヘッドホン難聴とは、ヘッドホンやイヤホンを付けて大きな音を聞くことによって、内耳の蝸牛の中にある細胞がダメージを受けて、聞こえにくさや耳鳴りが生じる病気のことです。加えてイヤホンの場合は長い間使用することにより、耳の入り口が圧迫されて、腫れや痛みが生じることもあります。


ヘッドホンをつけてのオンラインゲームは要注意


 最近、外来で訪れる患者さんにヘッドホン難聴が疑われる小学生や中学生のお子さんが目立つようになりました。ヘッドホンをつけながら対戦ゲームをしていると、長い時間、金属音のような音を聞き続けている状態です。その結果、耳の負担が増して、知らず知らずにヘッドホン難聴を引き起こします。

▼症状は、次のようなものが挙げられます。
音が聞こえにくい
耳が詰まったような感じがする
耳鳴りがする

 もし、お子さんに耳がつまった感じがする、耳鳴りがする、会話の声が聞き取りにくいなど、いつもと違うなと感じることがあれば、すぐにヘッドホンやイヤホンの使用を止め、耳鼻科を受診しましょう。

59-ヘッドホンをつけてのオンラインゲームは要注意


重症化すると聴力は回復しません


 症状が軽い場合は、大きな音を聞かないようにして耳を安静にしていれば、自然に治ります。急性の場合も順調なら約1週間程度で治ります。ただ慢性の場合は発症後、時間が経過してから受診しても聴力は回復できないこともあります。
 治療としては内服薬などを処方して、耳を休ませるようにします。

59-耳の聞こえが悪くなります。


ヘッドホン難聴を防ぐために


 ヘッドホン難聴を予防するためには、大きな音を長時間聴かないこと、耳を十分休めること、症状を感じたら、数日以内に出来るだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。ヘッドホン難聴は、予防できる難聴です。適切な使用を心がけ、耳の健康を守りましょう。





今井崇勝院長