子どもの自律神経を整える習慣についてお話します。

●はじめに


 自律神経は、外部環境に適応するために、内臓や血管などの働きを自動的に調節する神経で、体温や血圧を維持し、心臓を休みなく動かしています。自律神経が乱れると、疲労感、不眠、頭痛、首・肩こり、腹痛、動悸、不安などさまざまな症状をきたします。子どものうちから、自律神経を整えるための習慣をつけていきましょう。


●交感神経と副交感神経


 自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経はアクセルで、血圧を上げ、心臓の動きを活発にします。副交感神経はブレーキで、消化器の働きを高め、精神をリラックスさせます。両者の切り替えとバランスが大切です。


●食事で気をつけること


 糖質を摂りすぎず、蛋白質やビタミン、鉄などのミネラルが不足しないようにします。よく噛むこと、朝食を抜かないことが大切です。便秘になると、幸せホルモンのセロトニンが作られず、精神が不安定になり、やる気の低下や疲労感につながります。腸内環境を整えるために、十分な水分と、食物繊維、味噌、納豆などの発酵食品、乳酸菌を積極的に摂るようにします。家族みんなで食卓を囲み、楽しい団らんの時間にしましょう。


●適度な運動


 運動は筋肉、循環器呼吸器系の発達や脳の活性化、心のリラックスをもたらします。自律神経の調整のためには、ラジオ体操やウォーキング、ストレッチでも十分です。まず外遊びから始めましょう。


●質のよい睡眠を


 朝日を浴びることと夕方の運動は、よい睡眠につながります。昼寝は短く15時までに。就寝3時間前までに夕食をすませ、就寝1時間半前までに、38~40℃のお風呂に15分程度浸かるのがお勧めです。テレビ、スマホ、ゲームなどの光刺激は、交換神経を活発にし、睡眠物質(メラトニン)の分泌を低下させるので、就寝前1時間は控えましょう。寝室は静かで暗い環境にし、適切な温度と湿度に調節します。


●良い姿勢と深呼吸


 姿勢が悪いと骨格がゆがみ、呼吸も浅くなります。猫背、ストレートネック、巻き肩を矯正し、深呼吸をしましょう。副交感神経が優位になり、心が安定し、集中力、記憶力もアップします。鼻から吸って、口から長く吐くことを意識します。小学生になると深呼吸ができるので、親子で朝晩5回ずつトライするとよいですね。


●心のリラクックスのために


 1日1回はギューッとハグしてスキンシップをすると、緊張がとけ、安心感からリラックスすることができます。子どもの話をよく聞いてあげましょう。今日よかったことを共に喜び、できたことを評価しほめてあげると、自信がつき、自己肯定感が高まります。


●おわりに


 親の生活習慣を見直し、親の自律神経が安定すると、子どもにもよい影響が及びます。「早く」と急かさず、イライラしている時にはまず深呼吸。笑顔を忘れず、ゆったりとした気持ちで、子どもに接するようにしましょう。





野村真二院長