この「鬼滅の刃」の舞台は、大正時代の日本です。飢餓や病気、貧困、人間関係の衝突などが原因で、人が鬼になってしまうという厳しい時代背景が描かれています。それは今からほんの100年ほど前の出来事にすぎません。今年は、被爆と終戦から80年の節目の年でもあります。世界には今なお戦争が続いている地域もありますが、100年あるいは80年前の日本でも、私たちが当たり前のように享受している「平和で便利な社会」は存在していなかったのです。
こうした現代において注目されている言葉の一つが「ウェルビーイング(well-being)」です。多義的な概念ではありますが、簡潔に述べると「身体的・精神的・社会的に良好な状態であること」を意味します。つまり、物質的な豊かさに加え、心の充足や良好な人間関係を含めた、総合的な幸福の状態を指します。
では、このウェルビーイングはどのようにすれば実現できるのでしょうか。私自身は、その答えは「教育」にあると考えています。
当園は、日本国内の認可保育園として初めて国際バカロレア(IB)の認定を受けた施設です。国際バカロレアは、第二次世界大戦の反省と国際平和への願いから生まれた教育プログラムであり、多様性を尊重し、持続可能な世界を担う子どもたちを育成することを目的としています。
本園では、子どもたちの興味関心に基づいた主体的な学びを重視し、日々の探究活動を行っています。外国人講師との日常的な関わりを通じて、異なる言語や文化への自然な理解や寛容さが育まれています。また、季節に応じて海外文化に触れる行事を設けたり、講師の出身国の伝統料理を給食に取り入れたりするなど、国際感覚を養う活動も積極的に行っています。こうした経験を通じて、子どもたちは「違い」を「不安」ではなく、「興味」や「知りたい」という前向きな気持ちで受け止められるようになります。
安心・安全な保育環境のもとで、子どもたち一人ひとりが自己の価値を実感し、他者とつながりながら「生きる力」を育むこと。それこそが、ウェルビーイングを支える土台であると信じています。





























