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その悩み、お坊さんに聞いてみよ!【お寺の子育て相談室】⑦
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子どもの発達、友達関係、パートナーとの役割分担、仕事との両立......。
情報があふれる現代でも、子育ての悩みは尽きません。
むしろ、情報に振り回されて何が正解かわからなくなることも。
そんなママンペール世代が抱える子育てのお悩みについて、お坊さんにたずねてみました。
はるか昔から人々の心に寄り添ってきた仏教に、子育てがちょっぴり楽になるヒントがあるかもしれません。
▼この記事を読んで分かること
◎夜泣きを解決する意外な方法。
◎子どもの成長のために、本当に大切なこと。
◎仏教を日常に取り入れるメリット。
この記事を読めば、子育ての悩みについてのヒントがきっと得られるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 子育ての悩みにお坊さんが寄り添います
「仏教」と聞くと、一般的には法事やお葬式などのイメージが大きいのではないでしょうか?
でも、本来仏教は、「今を生きる人々」の悩みや苦しみを解決するために生まれたもの。
私たちの持つ「常識」や「世間の価値観」を一歩離れ、別の視点からものごとをとらえ直すことができる教えです。
今回は、そんな仏教にたずさわるお坊さんに、子育ての悩みを相談してみました。
読むうちに、自分の子育てについての気づきや、ハッとするような言葉に出合えるかも!?
2. 今回のお悩みは……
この記事では、ママンペールライターが、SNSなどを通じて子育て中のママパパからお悩みを募集。
その中からピックアップした質問を、お坊さんに投げかけてみました。
さて、今回のお悩みは......!?
子どもの夜泣きが本当につらいです。2歳をとうに超えていますが、いつまで続くのでしょうか。
「子どもの夜泣きが本当につらいです。
夜中に目覚め、だっこしてもおんぶしても泣き止みません。
主人も助けようとはしてくれますが、私(母親)の方へ来たがるので結局私が相手をすることになります。
泣き止んでも寝ることなくおもちゃで遊び始めたりします。
日中仕事に行っているので、辛くて仕方ありません。
もう2歳をとうに超えていますが、いつまで続くのでしょうか。」(40代女性)
3. お坊さんからの回答
今回は、三原市大和町にある徳正寺の住職、徳正俊平さんに質問を投げかけてみました。
布教使(法話専門の僧侶)として各地の寺へ赴き、時には趣味のギターを生かして、歌を交えた法話をすることも。
プライベートでは、4人の子どもの父親として子育てに奮闘しています。
母親から離れる時間を。子どもは案外適応する
―今回のお悩みは、夜泣きについて。相談者さんは、寝不足でかなりまいっているようです。
夜泣きは本当につらいですよね。
私には子どもが四人いるのですが、それぞれいろんなことがあるので、しんどさはお察しします。
今回のお悩みについて、結論から言うと、一度お母さんとお子さんが離れる期間を作ってみてはどうでしょうか。
―子どもをしばらくの間、誰かに任せてしまうということでしょうか?
はい、その通りです。
現在4歳になる我が家の末娘は、夜泣きはありませんでしたが、1歳半になっても卒乳ができませんでした。
そんなある日、上の子が一週間ほど入院することになったんです。
そして、母親が付き添いのためしばらく家をあけることになりました。
困ったのは父親の私。
お母さんのお乳がないと眠れない末娘と、まだ幼い兄弟二人の面倒を見ることになりました。
なるようにしかならないと腹を決めましたが、案の定、最初の夜はもう大変でした。
ところが次の日、末娘はあきらめたのか、コロッと寝るようになったんです。
そして、母親が帰って来てからもお乳を求めることはなく、そのまま卒乳しました。
この経験から、子どもは親が思うより環境に適応する力があるということを知りました。
その意味で、突然訪れた母親不在の生活も、よいきっかけになったと思います。
相談者さんも、あえてお子さんと離れる期間を作ってみるといいかもしれません。
お母さん自身のリフレッシュになりますし、きっとお子さんの成長にもつながりますよ。
「本当によい子育て」とは?
―子どもは、環境に適応する力がしっかりあるんですね。
このことは、夜泣きや卒乳に限らず、子育てのいろんな場面に当てはまりそうです。
ええ、そう思います。
いまの社会は、多少の危険も含め、子どもたちが豊かな経験をする場がどんどんなくなっています。
安全のためといって遊具が禁止されたり、公園のボール遊びが禁止されたり。
ゲームに依存しがちで、子どもが自ら遊びを見つけることができなくなっています。
「かわいい子には旅をさせよ」と言いますが、いろんな経験や、人との出会いを通して子どもは成長します。
習い事をたくさんして、いい学校へ行って……という「勝ち組」コースも世の中にはありますが、それが果たして「本当によい子育て」かどうかは疑問です。
―確かに……。子育てにお金をかけられる一部の人たちだけが、「よい子育て」をできるのではないですよね。
うちのお寺は田舎にあって、自然との触れ合いも、地元の人たちとの交流もまだまだ残っています。
日々いろんな経験をして、わからないことがあれば人を頼って。
そうやって、生きる力を身につけていくんじゃないでしょうか。
いくら経済的に恵まれていい学校に行っていても、虫一匹触れない、人にあいさつもできないというのでは、その子の将来が心配になってしまいますね。
「子ども叱るな来た道じゃ」
―最近の子育てについて、僧侶の立場から思うところはありますか?
昔から、こんな言葉があります。
「子ども叱るな来た道じゃ、年寄り笑うな行く道じゃ」。
私たちは誰でも子ども時代があり、いろんな人に迷惑をかけながら大きくなってきました。
また、人はいずれ年老いて、能力が衰えていきます。
だけど、最近の世の中は、そのことをあまりにも忘れてしまっているんじゃないでしょうか。
近所に保育園ができると聞くと、騒がしいからと反対されることがあります。
でも、その反対している人たちも、昔は大声を出しながら走り回っていたはず。
仏教では、「他者の中に自分を見る」という視点を大切にします。
騒ぐ子どもの姿を見て、昔は自分もこうして育ててもらったんだなと過去を振り返る視点を忘れてはいけないと思います。
時には手を合わせる習慣を
―こんな時代にこそ、仏教やお寺が救いとなりますね。
本当にそう思います。
仏教には、「怨親平等」(おんしんびょうどう)という教えがあります。
憎い相手も愛する人も、差別しない―これが、仏さまのまなざしです。
私たちは、つい自分にとって都合がいいか悪いかで判断してしまいます。
子どもに対しても、思い通りに動かないと腹が立ってしまう。
それをやめるのは簡単ではありませんが、ときどきは、そんな「私のまなざし」をわきへ置いて、平等な「仏さまのまなざし」を感じてみる。
それだけで、肩の力がすっと抜けるのではないでしょうか。
お寺の本堂というところは、私が「仏さまを見る」のではなく、「仏さまから見られる側になる」場所です。
お寺でなくとも、日常のちょっとした空間で手を合わせ、ふと視点を切り替えてみる。
そんな習慣ができると、子育ても少し楽になるかもしれませんね。
4. まとめ
・自然や人に触れ、子どもは成長する
・「他者の中に自分を見る」ことが大事
・時には手を合わせる習慣を
徳正俊平/徳正寺住職
北海道出身。大学を中退した後、京都の仏教専門学校へ。
十数年前に広島の寺の住職となり、法務のかたわら布教使(法話専門の僧侶)として各地へ赴いている。
また、福祉職の集まりなどでも対話を深め、僧侶としての活動を広げている。
https://tokushouji-namo.com/




































