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その悩み、お坊さんに聞いてみよ!【お寺の子育て相談室】③
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情報があふれる現代でも、子育ての悩みは尽きません。
むしろ、情報に振り回されて何が正解かわからなくなることも。
そんなママンペール世代が抱える子育てのお悩みについて、広島のお坊さんにたずねてみました。
はるか昔から人々の心に寄り添ってきた仏教に、子育てがちょっぴり楽になるヒントがあるかもしれません。
▼この記事を読んで分かること
◎不安は無理に打ち消さなくていい。
◎不安を「笑い」に変えると気持ちが楽になる。
◎諸行無常―いつまでも変わらないものはない。
◎経験豊富な人やおおらかな人とのつながりに救われる。
この記事を読めば、子育ての悩みについてのヒントがきっと得られるので、ぜひ参考にしてみてください。
1.子育ての悩みにお坊さんが寄り添います
「仏教」と聞くと、一般的には法事やお葬式などのイメージが大きいのではないでしょうか?
でも、本来仏教は、「今を生きる人々」の悩みや苦しみを解決するために生まれたもの。
私たちの持つ「常識」や「世間の価値観」を一歩離れ、別の視点からものごとをとらえ直すことができる教えです。
今回は、そんな仏教にたずさわるお坊さんに、子育ての悩みを相談してみました。
読むうちに、自分の子育てについての気づきや、ハッとするような言葉に出合えるかも!?
2.今回のお悩みは……
この記事では、ママンペールライターが、SNSなどを通じて子育て中のママパパからお悩みを募集。
その中からピックアップした質問を、お坊さんに投げかけてみました。
さて、今回のお悩みは......!?
体の弱い我が子のケアをする毎日。不安が絶えず、疲れが溜まっています……
今回のお悩み:
「私の子どもは体が弱く、転んだらどうしよう、これが起きたらどうしよう、と日々心配が絶えません。
ずっと続く体調ケアに、私自身もちょっとだけ疲れが溜まってきています。
親の心の持ちよう、心構えを教えていただきたいです」(20代女性)
3.お坊さんからの回答
今回の質問に答えていただくのは、広島県広島市にある「明光寺」の僧侶、牛尾かおりさんです。
法話を専門とする「布教使」として全国各地で活躍するかたわら、お寺の一角で菓子工房を運営したり、カフェでの法話なども行っています。
自身の子育て経験も踏まえ、相談者のお悩みに耳を傾けてもらいました。
不安がありつつも、「願い」に目を向けてみる
―「子どものケアに不安が尽きない」という今回のお悩みを聞いて、まずはどのように感じられましたか?
とてもよくわかります。子どものことはどうしても心配になりますよね。
しかも「体が弱い」という事実があるならなおさらです。
また相談者さんご自身も、不安のあまり自分自身が疲れてきていると気づいておられる。
それでも心配してしまうのが親心です。
私自身、恩師から「安心してください、不安は一生なくなりませんよ」と言われたことがあります。
確かに、一つ解決してもまた次の不安を見つけてしまうのが私たちです。
不安は人間なら誰しも抱える、ごく自然な感情なんです。
―不安は「なくす」ものではないということでしょうか。
そうですね。無理に不安を打ち消そうとすると、かえって苦しくなります。
不安は不安として横に置いておく。
そして、「子どもにどう育ってほしいか」という願いに目を向けてみてほしいんです。
外で元気に遊んでほしいとか、のびのび育ってほしいとか。
願いに目を向けると、不安にとらわれすぎず、前へ進む力になると思います。
「不安タスティック!」
―でもやっぱり、不安は次々に出てきますよね。
そうなんです。
実は私も不安を感じやすいタイプなんですが、最近とても助けられたのが『大ピンチずかん』(作・鈴木のりたけ/小学館)という絵本でした。
子どもにとっての「大ピンチ」が、「牛乳をこぼした」「セロテープのはしっこが見つからない」といった、思わず笑ってしまうものばかりで。
子どもの必死さは本物だけど、大人から見ると本当にささいなことなんです。
子育ても同じで、その時は「大ピンチ」でも、振り返れば大したことなかったと思えることが多い。
そうやって少し外側から眺められると、気持ちがふっと軽くなります。
―確かに、悩みの渦中にいるときは『これがすべて』になってしまいますね。
ええ。そんなとき、私は自分に「不安(フアン)タスティック!」と声をかけるんです(笑)。
仏教好きで知られるみうらじゅんさんの言葉なのですが、「不安になってる自分を笑ってみる」ってすごく救われるんです。
深刻になりすぎると、外からの言葉も届かなくなる。
だからこそ、ちょっと自分を茶化して「また不安になってるな」と気づけるだけで、心がほぐれます。
一歩外から自分を見る
―牛尾さんご自身も子育ての中で悩んだ経験はありますか?
もちろんありますよ。
たとえば、私の娘には不登校ぎみの時期がありました。
本人にとっては大ピンチ。
でも、親の私にとっては「学校に行かないこと」こそが大ピンチでした(笑)。
それで私もテンパっちゃって、家の中は大騒ぎ。
そんな私たちを、祖母(牛尾さんの母)が「大丈夫よ」と眺めていたんです。
そのとき思いました。
結局どんな大ピンチも、少し外から見れば「大したことない」。
まるで孫悟空がどんなに暴れても、実はお釈迦さまの手のひらの上だったように、私たちの必死さも大きな存在から見れば「かわいらしいな」「愛おしいな」と笑って見守られているのかもしれません。
「ずっと続く」わけではない
―なるほど、孫悟空の話は有名ですね。ほかに、仏教ならではのアドバイスはありますか?
私たちはつい、いま起こっている問題が「永遠に続く」と思ってしまいます。
でも実際は、自分も周りの状況も常に変化しています。
いまは子どもの体調が心配。
でもやがて学校のこと、その次は自分や親の健康と、不安は消えないけれど、同じ不安を一生抱えているわけではないんです。
仏教の言葉で言えば「諸行無常」、すべては移り変わっていきます。
だから「これはずっとじゃない」と思うだけで、心が少し楽になるんじゃないでしょうか。
不安を分かち合える場を
―現代は親子が孤立しがち。一人で抱えると余計につらいですよね。
そうですね。私自身も、誰かに話すことで「そんなの大丈夫」とか、「通る道、通る道」なんて明るく言われて救われた経験があります。
昔は祖父母や近所の人に気軽に相談できましたが、今は一人で子育てを抱え込みやすい。
だからこそ、経験豊富な人やおおらかな人とつながれる場所――それが理想的にはお寺でもいいし、地域の集まりでもいいし、友人やSNSでもいいと思います。
深刻さを少し和らげてくれる言葉に触れるだけで、不安を抱えたままでも生きていけるように変わっていきますから。
4.まとめ
•『大ピンチずかん』や「不安タスティック」のように、不安を笑いに変えてみる。
•諸行無常―その不安が続くわけではないと知る。
•経験豊富な人やおおらかな人とつながれる場所を探してみる。
広島市安佐北区の同寺出身。
布教使(法話を専門に行う僧侶)として全国の寺院を訪れる一方、2016年から「ana菓子工房」という工房を立ち上げ、仲間と活動している。
お寺がさらに人々の集いの場となることを目指し、新しい催しなどを計画中。
●「ana菓子工房」ホームページ。(お寺の紹介が掲載されています)
https://www.anakashikoubou.com/




































