【体験談】子どもがやけどになったら?~応急処置と予防策~

この記事は2021年6月28日に作成および更新したものです。
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こんにちは。
実は先日、筆者の5歳の息子がやけどを受傷しました。
やけどとは幼児の事故としてとても多いと思います。
日頃から気を付けておくことで防げる事故もあるし、いざという時にどういう処置をしたらいいのかを知っておくことも大事です。
この度は実際の筆者の体験談をもとに応急処置予防策また知っておくと安心できる予備知識にについてまとめたいと思います。


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▼この記事を読んで分かること
◎やけどの応急処置は何をすればいいのか?
◎知っておくといい予備知識とは?
◎やけどにならないようにする予防策とは?

この記事を読めば、やけどになった時の応急処置とならないようにする予防策が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.子どもがやけどを負ったら?【経験談】

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ではまず、筆者の息子(5歳)がやけど(医学用語では熱傷と言います)を負った時の話を書かせてください。

とある日曜日に近所の山に家族で登山していた時の話です。

頂上まで登り、お湯を沸かしてカップ焼きそばを食べようとお湯を入れてできあがりを待っていました。

すると待ちきれない息子が「あぶないからさわらないよ!」と言っても、こちらの言うことは無視してカップを触ったんです。

あ!!と思った時にはもう時すでに遅し。

息子が持ち上げたカップからお湯がこぼれ、息子の右足の太ももにかかりました。

「あついよ!!いたいよ!!」と息子はもちろん大泣きです。

ちょっとしたパニックになりながら息子を抱きかかえ安心させるために声を掛けながら応急処置をしました。

【1】まずは応急処置

では筆者が息子に行った応急処置についてです。
筆者は前職で長年MR(製薬会社の営業職)をしていて重症熱傷の処方薬を販売していたこともあり、たまたまやけどの知識がありました。
息子の反応と受傷した創面の様子で重症ではないことはわかりましたが、応急処置はとても重要です。

本来ならばやけどは水道水で15~30分冷やすこと、ひたすら冷やすことが大事です。
そうすることで重症化するのを防ぐことが出来ます。

しかし山の上でのやけどだったので近くに水道がありませんでした。
すぐ下山しようにも30分近くかかりそうだったので、服を着たまま受傷した息子の右太もも部分を持っていたペットボトルの水を全部かけて冷やしました。
合計1ℓくらいの水をかけたかな、と思いますが、やけどの応急処置としては不十分です。
でもこういう緊急時は焦らず現状でできることをするしかありません。

その後落ち着いてから山を下りて病院を受診しました。

【2】病院受診

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水をかけて少し痛みが落ち着いたようで、息子の機嫌も落ち着いていました。
早く病院を受診したいのですが、この日は日曜日です。
基本的に医療機関は閉まっており、休日当番医救急病院に行くしかありません。
夫が先に肩車で息子と山を下りて、筆者は山を下りながら救急相談センター広島広域都市圏(#7119または082-246-2000)に電話しました。

電話口で年齢と症状を聞かれて伝えたところ、「すぐ救急車がいきますね」と言われたのですが、筆者にはやけどの知識があって大丈夫だと判断できたのと、息子の機嫌も落ち着いていたこともあり、救急車を断り当番医を教えてもらいました。

子どもの機嫌が直らなかったり、広範囲のやけどだったりする時は迷わず救急車を呼んだ方がいいと思います。
とにかくやけどは初期治療が大事です。
ちなみにやけどの治療は基本的に皮膚科になります。
当番医の電話番号も教えてもらえるのですぐ当番医のクリニックに電話して息子の状況を伝え、受け入れの可否を確認しました。
10分後には午前診療が終わる時間だったのですが、事前に電話しておくことで待ってもらえましたし、この日の皮膚科当番医が自宅から車で10分の近隣クリニックだったのが息子にとっては幸運でした。
自宅に戻り、少し水道でさらに5分くらい冷やしたところでタオルにくるんだ保冷剤を持って出発しました。

皮膚科のクリニックに着くとすぐに診察を受け、処置してもらえたので安心しました。

2.やけどの応急処置の仕方

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では正しいやけどの応急処置とはなんでしょうか。

一にも二にも冷やすこと。
三・四がなくて五も冷やすこと。

日本熱傷学会の公式ホームページにもわかりやすく、こうあります。↓↓↓

まず行うべきことは? 熱源を断つこと!
次に冷やすこと!

そう、とにかくやけどの原因を取り除いてから冷やすことです。

どうやって冷やしたらいいのでしょうか。

冷やし過ぎによる凍傷や低体温を防ぐため、保冷剤や氷を直接患部に当てるのではなく水道水や浴室のシャワーを使って15~30分冷やすのがいいと言われています。
この時注意したいのが「慌てて服を脱がせないこと」です。
服を脱がせることで皮膚がはがれてしまうこともあるので、患部に着衣があっても服は着たまま流水をかけて冷やすことが重要です。
また水疱については自然につぶれてしまったものはいいとして、自分でつぶしたりしない方が感染予防の観点からいいと言われています。

急なやけどは、

【1】とにかく冷やすこと
【2】その後病院を受診すること

状況によっては間違いなく救急車を呼ぶのが正解だと思います。
もし判断に迷うことがあれば筆者が電話した救急相談センターで助言してくれるので安心です。

3.【やけどにならない予防策】と【予備知識】

そして、やけどにならないためにできることと、いざなってしまった時のために知っておいた方がいいことについてです。
まず【予備知識】としてやけどの深さの分類について簡単にまとめます。
これを知っておくことで受傷してしまった子どもの反応を見て、また創面をみて、どうしたらいいのかの判断に役に立つし、有事に落ち着いて行動できるのではないかと思います。


【深さによるやけどの分類について】
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出典:日本形成外科学会ホームページ

やけどは深さによって4つに分類されます。

【1】Ⅰ度熱傷
【2】浅達性(浅い)Ⅱ度熱傷
【3】深達性(深い)Ⅱ度熱傷
【4】Ⅲ度熱傷

息子は今回【2】の浅いⅡ度熱傷でした。

Ⅰ度は表皮まで、Ⅱ度は真皮まで、Ⅲ度は脂肪・筋肉といった皮下組織まで傷害が及んだものです。
ちなみに浅いⅡ度熱傷では強い痛みがありますが、深いⅡ度熱傷では痛みが鈍くなっていきます。
Ⅲ度までいくと神経や血管もやけどでやられているため、痛みの感覚もありません。
つまり意外にも損傷が深くなるにつれて痛みは減っていくのです。

痛みがないからといって受診を控えるということがないようにしたいですね。
ちなみに外見としてはⅠ度が赤味を帯び、Ⅱ度で水泡ができ、Ⅲ度では黒や白色になります。

やけどは、深さにより治癒機関や治療方法が変わりますし、Ⅲ度までいくと自然治癒は難しくなります。
痛みがないから軽症とは限りませんので、念のため受診をするのが安心です。

また予備知識として広島市周辺や広島県で実施しているサービスについてもまとめておきます。

【予備知識】自治体実施のサービス

今回筆者が対象の当番医を教えてもらうため、利用した【救急相談センター広島広域都市圏】についてです。
以下の通り、広島市の方だけではなくて山口県の一部も含めた、広範囲の方の利用が24時間いつでも可能です。

≪対象エリア≫
 【広島県】広島市、呉市、竹原市、大竹市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、
      府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町
 【山口県】岩国市、和木町

以下は公式ホームページよりの抜粋です↓↓↓

電話相談を通じて、病気やけがの症状を把握した上で、看護師等が24時間体制で次のようなアドバイスをします。
1 .救急車を要請するか、自分で医療機関に行くかなどを助言
2.けがなどに対する応急手当の方法を助言
3.適切な診療科目と医療機関を案内


応急手当の方法を教えてくれたりもする当サービス、急なケガにはありがたいですね。

≪救急相談センター広島広域都市圏≫
【受付時間】毎日24時間
【電話番号】局番なしの♯7119または082-246-2000

休日なら当番医が開いているので受診可能ですが、夜間ならどうでしょうか。

小児科の救急病院としては、広島市立舟入市民病院24時間365日受け入れをしています。
また、広島市立安佐市民病院日曜の夜間に救急診療を行っています。

ただ広島市舟入市民病院は受診者が集中し混み合っていることが多いと聞きます。

もし夜間に子どもが急病になった時利用できる電話相談サービスとして
小児救急医療相談電話(こどもの救急電話相談) もあります。
「すぐに受診させた方がよいのか?」、「翌朝まで待ってもいいのか?」判断に迷ったときは、こちらも利用可能です。看護師さん等専門職の方が、子どもの急病などの救急電話相談を行っているとのことなので、状況に応じて使い分けてください。

≪小児救急医療相談電話(こどもの救急電話相談)≫
【受付時間】毎日午後7時~翌朝8時
【電話番号】局番なしの♯8000または082-505-1399
【実施主体】広島県

【予防策】熱いものを近くに置かない

そして子どもがやけどを負わないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
これは誤飲や転落といった事故を防ぐのと同じような事なんですが、「環境を整える」ということです。                     
誤飲を防ぐために「小さいものや危ないものを子どもの手の届くところに置かない」ということと同様に、やけどを防ぐためには「熱いものを子どもの手の届かないところには置かないようにする」ということです。

今回の筆者の事故の場合は、息子のすぐ触れるところに熱いお湯の入ったカップ焼きそばを置いたところに問題があります。
「もう5歳だからわかるよね」なんて決めつけず、息子の手の届かないところに置くべきでした。

単純なことですが、とても大事なことだと思います。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。
子どもの急な事故、やけどには親もついついパニックになってしまいます。
そうならないために、どうしたら防げるのか知り対策をしておくこと、またもしなってしまった時にどういう応急処置をしてどうしたらいいのかを知っておくことは、いざという時に安心です!

今回の筆者の経験が誰かの役に立てばと思い書かせていただきました。
ちなみに息子は受傷から2週間経ち、傷はほぼ上皮化しあとちょっとで完治というところです。

今後こんなことがないように息子の危険認知力を過信することなく、念には念を入れてしっかり気を付けようと思います。


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(担当ライター:サニー