アートが子どもたちに与える影響について、当園が実践する『アート保育』の描画、音楽、ダンスで具体的にお話しします。
まずは描画。何もない真っ白な紙に線を入れ、ゼロだったものを1にするのは、実はとても勇気のいることです。起業する時のイメージと似ていますね。この時、クレヨンや鉛筆、筆などの画材も自分で選ばせることが大事です。また、子どもは自分の中にあるものしか表現できないので、普段から色々な刺激を与えていきましょう。描画はどこでも好きな時にできるのも魅力です。ぜひこの点を活かし、子どもたちの小さくて大きな勇気の一歩を見守ってください。
次に音楽。音域の限られるデジタルの音に対して楽器の生の音には限りがないと言われます。実際、子どもたちは私たち大人よりも音の違いをよく聞き分けています。ピアノの鍵盤をただ叩いて出た音と、意識して強く叩いて出た音、その違いを幼少期に身につけることによって、今後は自分自身の力でさらに聞き分ける力を獲得していくはずです。
ダンスについてもユニークです。先生がコンテンポラリーダンスを始めると、子どもたちは自然と真似をし始めます。「あの踊り方を真似したい」「それにはこうしよう」と、自分の見えているものを自分の体で意識的に動かしていくのです。教えられた動きではないので、主体性と集中力が養われていきます。
色の違い、音の違い、動きの違い。これらがわかると「自分ならどうしよう」と一度飲み込んでから表現することが可能になります。