デジタル時代における幼児教育について

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デジタル時代の幼児教育では、テクノロジーの適切な活用と、従来の学びのバランスが重要な課題となっています。テクノロジーは、子どもたちの学びを広げ、興味を引き出すための強力なツールですが、その一方で過度な使用は学習の質に影響を与える可能性があるため、慎重な対応が求められます。

フィンランドのリーヒマキ市では、以前は全ての生徒にノートPCを配布し、デジタル教育を積極的に推進していました。しかし、デジタル機器の使用が子どもたちの学習成果や集中力の低下を招いているとの懸念から、近年は紙と鉛筆を使った伝統的な学習方法に回帰する方針が取られています。専門家によると、幼少期の子どもたちはマルチタスクに弱く、長時間のデジタル機器使用が脳の発達に悪影響を与えることがわかっています。

こうしたフィンランドの取り組みは、デジタル時代においても、実際の体験や五感を使った学びがいかに重要であるかを再認識させます。幼児期は特に、物に触れ、体を使った学びが脳の成長に不可欠です。デジタルツールを使うことも有効ですが、それはあくまで補助的なものであり、直接的な体験や実際の学びの方が子どもたちにとって本質的な成長の場を提供します。

つきのひかり国際保育園やフルムーンインターナショナルこども園では、国際バカロレア教育を実践する中で、必要に応じてデジタルツールを使用していますが、その使用は控えめにしています。動画や写真などは、学びの補足として役立つものですが、メインとなるのは園外保育や自然との触れ合い、実体験を通じた学びです。これらの活動を通じて、子どもたちは自ら考え、行動する力を養い、創造力や主体性を育んでいます。

また、テクノロジーは学びの補助だけでなく、先生方の業務負担を軽減するツールとしても活用されています。事務作業の効率化が進むことで、先生方は子どもたちと向き合う時間をより多く確保でき、教育の質向上に貢献しています。

デジタル時代における幼児教育では、テクノロジーの利便性を賢く活用しつつ、伝統的な学びの価値を見失わないことが重要です。つきのひかり国際保育園やフルムーンインターナショナルこども園では、自然体験とデジタルツールをバランスよく取り入れ、子どもたちが健全に成長できる環境を整えています。


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