旅がどうして大切なのか

 新しい場所の探検に、私は60~70か国を旅してきました。カナダの非常に寒いオンタリオ州北部で育った子供の頃、私は常にナショナルジオグラフィックの雑誌に目を通していました。当時私は10歳か11歳だったと思いますが、世界中の人々の写真に魅了されました。
 1970年代、80年代にはインターネットがありませんでした。素晴らしい世界についての情報を集めるには、本、新聞、雑誌、ラジオ、テレビしかなかった時代です。海外旅行が、一般の人や家族にとってもアクセスしやすくなり始めたばかりでした。ナショナルジオグラフィック誌の写真は今でも私の中に残っています。イギリス、フランス、ノルウェー、フィンランド、オーストリア、アイスランド、ルーマニア、日本、モンゴル、タイ、アフリカ、マダガスカル、北極、南極、アルゼンチン、エクアドル、ニュージーランド、イランなどの写真に魅了されたのを覚えています。正直に言うと、私は記事をほとんど読まないのですが、写真だけでも百聞は一見に如かずです。
 私はよく家の「地球儀」を回して、世界中の国々での生活がどのようなものかを想像していました。今でも、あらゆる種類の地図を見ることに大きな喜びを感じます。最初は、アメリカへの奇妙な旅行から探検を始め、その後ヨーロッパで仕事に就き、そこから私の人生が大きく変わり、世界中で働いてきました。しかし、なぜ旅への情熱がそれほど重要なのでしょうか?本物の旅行は、人に別の文化圏での快適ゾーンで暮らす機会を与えます。そして私たちは母国で学んだことは一つの視点にすぎないことに気づき、問題を解決するいくつもの方法を身につけることができます。適応力と柔軟性は非常に重要な特性になります。私たちはしばしば、自分たちの文化が最高であると信じ込まされます。これは旅行などの経験によってのみ変えられる偏狭な見方と言えるでしょう。
 ただ、海外旅行を度々行うのは、時間的にも経済的にも大変です。異文化を体験するもう1つの方法は、多くの場合すぐそばにあります。例えば、広島インターナショナルスクールでは、毎年国際フェスティバルを開催しています。(残念ながら、今年は4月13日に開催されました。)
 素晴らしい食事、エンターテインメント、友情など、最高の国際文化を体験したい方は、ぜひ盛大なパーティーに一度ご参加ください。それは、実際に異国情緒あふれる目的地まで何千マイルも旅しなければならないことに比べれば、最善の策だと思います。




ジェームズ校長