口呼吸が良くないものだということは、みなさんご存知でしょうか?口呼吸は顔発育や歯並びが悪くなることに繋がるということは意外と知られていません。口呼吸の人は口の中へ空気を通すために舌を下あご側に下げてしまいます。これは無意識に起こることで赤ちゃんの頃に始まります。この「舌が上あごにくっついていない」ことが様々な悪い影響に繋がっていきます。
顔発育の先導役は上あご
顔をはじめとして骨格は筋肉などの「軟組織」の動きによって、成長発育の程度や方向性は決まります。特に舌は上あごを発育させるという役割を与えられた筋肉です。舌という筋肉が上あごにくっついて大きく成長することにより、奥行きのある顔の発育が可能になります。適正に発育することで口が舌の入る大きさを確保できるということです。
嚥下(えんげ)と歯並びの関係
皆さんは【嚥下(えんげ)】をご存じですか?食べ物を飲み込み、口から胃へと運ぶ一連の動作のことを嚥下と言います。舌を上あごに押し付け、舌骨を引っ張り上げることで完了する飲み込みですが、舌が下あご側に落ちてしまうと、前に突出させて舌骨を引っ張りあげようとします。上下の歯の間から舌を出し、頬の粘膜を収縮させて陰圧を作ることで嚥下運動をしてしまいます。この頬の筋肉の使い方が歯並びを悪くする原動力になります。歯が並ぶスペースが狭いと歯並びがガタガタになります。嚥下運動は食事のときだけではなく唾液の無意識嚥下運動を1日に2,000回も行っていると言われており、毎日ハードに筋トレをしているような状況と同じなのです。このようなお子さんの口腔内から頬を触ると柔軟性のない筋肉質な頬になっています。
「口呼吸が身体に良くないことは分かっていたけど、こんな風にリンクしているなんて考えたこともなかった!」と思う人がほとんどではないかと思います。口呼吸は百害あって一利なしです。