【東広島市立美術館】で「第34回現代絵本作家原画展」開催中!

この記事は2021年7月16日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
nosaka-yuusaku-main
2020年秋に移転リニューアルした東広島市立美術館。
今回は、2021年9月12日まで開催中の「第34回現代絵本作家原画展 野坂勇作 絵空ごと 本当ごと」についてご紹介します。


▼この記事を読んで分かること
◎新しくなった【東広島市立美術館】について
◎「第34回現代絵本作家原画展」について

お子様連れでもおでかけしやすい原画展です。ぜひおでかけしてみてください。

1.新しくなった【東広島市立美術館】へ行ってみよう

東広島市立美術館は、2020年11月に、JR西条駅から徒歩10分、山陽道西条ICから車で約7分の好立地に移転しリニューアルオープンしました。
美術館の前には公園、芝生、木陰、ベンチなどがあり、近隣には駐車場や飲食店も多数。
幼いお子さんを持つファミリーのおでかけ先にいかがでしょう。

2.野坂勇作さんの「現代絵本作家原画展」開催中

higashi-bijutsu02
こちらでは「第34回 現代絵本作家原画展 野坂勇作 絵空ごと 本当ごと」が開催中。
9月12日(日)までの期間中、さまざまなイベントも予定されています。
入口からワクワクしてきますね。

広島ゆかりの絵本作家・野坂勇作

野坂勇作さんは、島根県松江市出身で、1歳の頃広島市へ移り住んだ広島ゆかりの絵本作家。
「どろだんご」「にゅうどうぐも」などの作品で知られています。
現在鳥取県米子市在住。
今回は「どろだんご」「にゅうどうぐも」に加え、「ゆきまくり」「ふゆのあらし」「なつ なつ なつ」「しもばしら」「オレンジいろのディーゼルカー」「すすめ ろめんでんしゃ」(いずれも福音館書店)の計8作品、原画約130点を展示しています。
中には、一度は書店で見かけたり、手に取ったり、子どもたちに読み聞かせたりした記憶がある人もいるのではないでしょうか。

笑いと気付きのアーティストトーク

higashi-bijutsu03
7月3日には同美術館にてアーティストトークが開催され、事前に申し込んだ親子連れや学生などが参加しました。

拍手の中、入場した野坂さん。
冒頭で「コイワシは3度洗えばタイの味と母に言われました。
原画展、3度見なけりゃ分からない。ぜひ3度来てくださいね」
会場からは笑い声!
この瞬間、会場の全員が、野坂さんの大ファンになりました。

ふすまにまで絵を描いていた子ども時代、絵が好きだからと絵画を習わせてもらったものの、図工の成績はよくなかったと話す野坂さん。
「絵を上手くしようとしなかったことがよかったんです。上手くなっていたら絵が嫌になっていたかも」という話に、多くのパパ、ママがうなずいていました。
野坂さんは小学校4年生の頃、父親の持っていた画集でゴッホを見て「こういう描き方があるんだ」と驚き、同時に「絵っておもしろいな」と感じたそう。
中学2年生のとき父親が「好きな絵の道へ進んでもいい」と言ってくれたことが、絵本作家である「今」につながっています。

結婚し、子どもをもうけたことで、普段立ち寄らない書店の絵本コーナーに行き、偶然手にした絵本が転機に。
それは、野坂さんが幼い頃読んでもらった絵本「ちいさいおうち」でした。
この出合いが、野坂さんが絵本作家を志すきっかけとなりました。

1985年に「ゆきまくり」(福音館書店)でデビュー。
以後、作風の違う数多くの作品を生み出しています。

野坂さんは、丁寧な取材を重ねることでも知られています。
「にゅうどうぐも」「ふゆのあらし」(福音館書店)などは、取材だけで2~5年かけた力作。
「2,3度でだいたいのことは分かりますが、その奥にあるものを知らないと絵は描けないものです」という言葉は、子どもたちの心にも響いたことでしょう。

また「題材の内容によって、異なる技法で作風を変化させている」ことも、野坂さんの絵本の特徴です。
描き方は、油絵、版画、切り絵など多彩で、見る人を魅了します。
「絵本の作風は全て違います。料理人のように良い素材を見つけて、素材ごとに違う料理をするのと同じ」と野坂さん。
「新たな表現へ挑戦し続けることは、自分自身のモチベーションにもなっている」という話には、私自身心から共感しました。
作風の違いは、ぜひ原画展でしっかりと見て、確認してくださいね。

「再来年には、ちょっとトリッキーな電車の絵本を出版する予定です」
次はどんな野坂ワールドが楽しめるのか、今から楽しみですね。

終わりなき挑戦を続ける野坂さんの、楽しく前向きで明るいトークに、あっという間の90分。
トーク終了後は、絵本にサインを求めるたくさんのファンの行列ができました。

higashi-bijutsu04

3.感動を胸に、いざ原画展へ!

higashi-bijutsu05

higashi-bijutsu06

トークショーの感動冷めやらぬままに、原画展の会場へ。
会場は3階展示室A。
「絵本作家デビュー」「こどもたちとふれあう」「自然の魅力とふしぎ」「乗物から見つめる日常」の4つに分け、絵本8冊、約130点の原画を展示しています。
一部、写真撮影が可能です。

higashi-bijutsu07
自由参加型鑑賞クイズ「アートアドベンチャー」も開催しています。
受付で配布される専用の用紙をもらって、クイズを解きながら絵を見て回ることができます。

higashi-bijutsu08
3階ロビーの「本読みコーナー」では、誰でも絵本の閲覧が可能。
野坂さんの話にあった「子ども力」を、絵本を通じて取り戻してみませんか。

higashi-bijutsu09
また、この日の感動を、3階展示室入口横にある「拝啓、野坂勇作さんへ」のコーナーで、手紙に綴ってみませんか。
書いた手紙は、会期中館内に展示されます。
会期終了後、抽選で1人に、野坂の直筆メッセージがもらえます。

higashi-bijutsu10
丹念な取材を重ねて描かれる絵本の世界に、大満足の原画展。
素晴らしい「野坂ワールド」を、親子でぜひ堪能してください。

原画展概要

名称
第34回現代絵本作家原画展 野坂勇作 絵空ごと 本当ごと
会期
2021年9月12日(日)まで
会場
東広島市立美術館 3階展示室A
(東広島市西条栄町9-1)
TEL
082-430-7117
開館時間
9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
※7月30日(金)、8月27日(金)は19:00まで開館
観覧料
一般800(640)円、大学生500(400)円、高校生以下無料
※( )は団体料金
ホームページ
こちら
(担当ライター:門田聖子