羽間先生:最近耳にされることも多い「PMS(月経前症候群)」は、生理10日前〜3日前くらいに起こる生理前の不調で、生理になると急に改善するのが特徴です。一方で、生理に伴って起こる不調は「月経困難症」と呼ばれます。どちらかだけの方もいれば、両方の症状がある方も多いです。まずは自分が“いつからいつまでしんどいのか”を自分自身で知っておくことが大事ですね。
A子さん:私は生理前だけなのでPMSですね。
B子さん:私は生理前の方が強いけど、ずるずる不調が続くので両方かな。
C子さん:私は10日前ではなく、3〜4日前からイライラが始まって、経血量とともにイライラが治っていく感じです。やはりPMSはホルモンが関係しているんですか?
羽間先生:はい。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」があり、このうちプロゲステロンがPMSに関係しているとされます。プロゲステロンは排卵後に分泌されるホルモンで、このプロゲステロンの影響により、「セロトニン」の分泌量が低下すると考えられています。セロトニンは脳内の“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質なので、これが低下することで不安感が強くなったり自分自身に余裕がなくなると言われているんです。
B子さん:これまで女性ホルモンのことをふんわりしか理解していませんでした。そんな関係性があるんですね。
羽間先生:なお、体内でセロトニンを合成するのにおすすめなのが大豆成分と言われています。また、イライラや落ち込みはむくみが強い傾向にあり、このむくみの軽減に役立つのが「γ-トコフェロール」というビタミンEの1種とされています。
B子さん:PMSってコントロールできるんですね…。
羽間先生:はい。セルフケアとしては、γ-トコフェロール以外に陽の光を浴びるのがおすすめです。セロトニンが増えてきます。薬物治療では副作用が少ない漢方、月経困難症もある方や肌荒れ・むくみのある方にはピルという選択肢もあり、生理自体をコントロールすることもできます。精神症状が重い方はセロトニンを調節する抗うつ薬で改善する方もいます。更年期の症状にはセルフケアとして「エクオール」もおすすめです。でもまずは食事をはじめ生活習慣を整えるのが大前提です。