『お父さん、ありがとう』

望月主税-統括園長-img


昔は、「お父さんは外で仕事をし、お母さんは家庭を守る」という家庭の形が、今よりも一般的に考えられていた時代がありました。今では共働き家庭が増え、夫婦二人で働きながら、家事も育児も共に担っていくことが自然な時代になりました。

「イクメン」という言葉が流行語になったのはもう15年以上も前の2010年。当時は、育児に積極的に関わる男性が注目される時代でした。しかし今では、お父さんが育児に関わることは特別なことではなく、家庭の中で大切な役割として、当たり前に受け止められるようになってきました。

ちょうど父の日を前に、「第45回 ベスト・ファーザー イエローリボン賞」の授賞式の記事を目にしました。印象的だったのは、俳優の吉田鋼太郎さんが語られた、これからの父親像についての言葉です。かつてのように「父親が一番偉い」という時代ではなく、子どもたちの言葉に耳を傾け、コミュニケーションを続けていく柔軟な父親でありたい、という趣旨のお話をされていました。

こども園を運営している私たちも、日々たくさんのお父さんの姿を見ています。朝、お仕事前にお子さんを送り届けてくださる姿。夕方、少し疲れた表情を見せながらも、お子さんの顔を見るとやわらかく笑顔になる姿。行事ではカメラを構え、わが子の一瞬一瞬を大切に残そうとされる姿。園庭や玄関で、お子さんと自然に会話し、信頼関係を築いておられる姿。その一つひとつに、深い愛情を感じます。

お父さんの頑張りは、時に見えにくいものです。家族のために仕事をすること。家に帰ってから子どもの話を聞くこと。休日に家族の予定を優先すること。重い荷物を持つこと。車を運転すること。子どもが寝た後に仕事をすること。どれも特別なこととして語られる機会は少ないかもしれません。しかし、その日々の積み重ねが、確かに家庭を支え、子どもたちの安心につながっています。

子どもにとって大切なのは、完璧な父親ではなく、自分のことを思ってくれていると感じられる存在です。忙しい中で少しだけ遊んでくれた時間。いつもあたたかく見守ってくれたまなざし。家族のために黙って頑張っている背中。そうした記憶は、子どもの心の中に、いつまでもあたたかく残っていきます。

お父さんの毎日の努力、責任感、優しさ、そして家族への深い愛情に、心から敬意を表します。いつも、心からありがとうございます。


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