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第27回:探求ベースの学びでは知ってることから始めましょう

 私たちの考え方は、学校での学習方法からかなり影響を受けます。昨今の日本国内の臨時休校により、子供たちに柔軟な考えを持たせ、未来への準備をさせる必要があるのだと考えさせられたことでしょう。
 国際バカロレアで提供される探求ベースの指導と学びには、計画的に一定の柔軟さが含まれています。カリキュラムに探求の時間が組み込まれ、生徒が何を学ぶべきかの目標が与えられるよう、先生によって入念に組み立てられます。今回は学習者が自分で考えるようになるには、柔軟さがどのようにインパクトを与えるのかについて考えていきたいと思います。
 探求ベースのプログラムで欠かせない考えは、どのようにしてたどり着くかではなく、学習者が自分はどこへ向かっているのか(何を理解しようとしているのか)を理解していることです。例えば、私の学校での最近の探求の時間では、1年生がどのように社会は機能しており、人は活動ができるのかということを学んでいます。最初は、これを理解する明白な方法はありません。ではどこから始めればいいのでしょうか。
 探求には段階があります。まずは生徒がすでに知っているトピックについて考えさせます。今回は移動手段について考え始めました。探求ベースですと、生徒が持ち合わせている知識、スキル、理解力が極めて重要です。我々の脳は、持ち合わせている知識の上に新しい知識を結合させ、様々な情報を処理していきます。学習を意味あるものにするには、この繋ぎが必要なのです。先生は生徒が見聞きしてきたことを思い出させ、引き出し、すでに知っていることとの結びつきを明確にしていきます。
 今回は、「なぜ多くの人が、移動手段として車や公共交通機関を利用するのでしょうか?」と質問を投げかけました。子供は自分について考えを巡らせます。そこから自分以外の人、コミュニティーの人はどうだろうと考えを広げて行きます。まずは自分のことをより理解し、自分をより広いコミュニティーへとつなげて行けるようになります。
 当校には、私を含め何人か遠方から自転車で通学している生徒がいるので、なぜ雨の日でさえも自転車通学を選ぶのか等の質問から始まり、議論を交わしました。校長や先生とこのような議論を交わすことにより、最初の学びの過程で起こる、様々な疑問や情報集めの必要性を学ぶことができるようになります。教科書重視のカリキュラムにおいては見過ごされがちですが、自分が知らない、不確実なことは重要で、そこから生まれる疑問こそが、自主的な学習者にとっては理解を深めるのには欠かせない鍵となるのです。


広島インターナショナルスクール