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第25回:責任の重さと軽さのバランス

 子供たちは親の行動を観察しながら世の中を理解し、我々の行動は子供たちに大変なインパクトを与えます。このことを心にとめ、遊びが我々の生活の中で果たす役割について考えてみましょう。遊びは、規定のない、自然におこる、楽しむためのものです。遊びは人間の成長に必要不可欠であり、大人にも必要です。
 私はKundera Milanさんの「The Unbearable Lightness of Being(耐えられない人生の軽さ)」という小説のアイデアが大好きです。小説の中で著者は、登場人物の人生に意味を与えてくれたのは、実際には重圧や責任感からくる重さだったと気付くと表現しています。心配がなければないほど、生活に意味がなくなってくると言うのです。私は自分の子供たちが小さい時にこの小説を読んだので、即座に著者が言いたかった責任の重さの意味を理解しました。子育て中、親は心配し、やきもきし、時間的、経済的なプレッシャーが常につきまといます。どうするべきかという、矛盾したアドバイスが周りにはびこる中、自分たちが今やっていることが正しいのかも分からず、大変なストレスがたまることでしょう。しかしこれらの辛い思いをすることにも意味があるのです。
 子育て、ビジネスの経営、キャリアの積み上げ、コミュニティーのためのボランティア活動や年老いた親族の介護等、我々には様々な責任が重くのしかかっています。これらの責任を抱えることには意味があるのです。しかし時には肩の荷を降ろし、息抜きも必要です。皆さんには息抜きをするための場所がありますか?一時的とはいえ、肩の荷を降ろすことに罪悪感を感じていませんか?
 日本では、多くの学生が放課後塾に通っており、塾がない日には、中高校生の多くは学校の部活動に参加しています。部活動は勉強ではないにしても、大人が組織を組み、様々な規定があります。ソーシャルメディアやオンラインゲームも子供が自主的に作り出したものではなく、本来の遊びではありません。親も時にはリラックスすることが必要で、スマホやPCを手放し、遊びには大切な役割があるということを日常生活の中で子供に示さなければなりません。我々大人が子供のお手本にならなくてはいけないのです。しかし現代の大人にとってバランスを保った生活を送ることは最大のチャレンジなのかもしれません。


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