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第24回:人との繋がり

 誰でも自分の世界に入り込むことがあります。自分の世界に入ると言えば、この前、私は正面衝突しそうになりました。自転車で帰宅中、暗闇から突然自転車が目の前に現れたのです。両手をハンドルから放し、携帯のスクリーンを見ながら、スピードを出して自転車を走らせている男子高校生でした。学生は数秒とはいえスクリーンに集中していました。明らかに外の世界への気遣いが欠けていたのです。これは特別な例ではなく、近年よく目にする光景ではないでしょうか。電子機器の利用を否定しているわけではありませんが、ここ何十年も、私たちはコンピューター、スマートフォン、テレビ等の電子機器に依存しすぎているのです。
 オランダのハーグへ行った時、夜、美しい町を散歩しました。その時、オランダでは、少なくともハーグでは、カーテンを使うお宅がほとんどないことに気づいたのです。暗い通りを歩きながら、立ち並ぶ家々の住人が電気のついた部屋でテレビを見つめ、スクリーンから放たれる光が顔に照らされているのを見ると、戸惑ってしまいます。自宅でこのような光景を目にすることはあっても、外からのオブザーバーとして見ることはめったにありません。実際自分の世界に入り込んでいる人をはたから見るのは不思議な感じがします。
 私たちはスクリーンに取りつかれた世代の人間ですが、このような変化は急速に進みました。電子機器が悪いのではなく、我々が選んで使っているのですが、突然の変化が間違った効果をもたらすことは往々にしてあります。
 私は国際バカロレア認可校(IB校)に務めています。探求をベースとした学習方法で、様々な考えを繋げ、色んな人とのコネクションにフォーカスしています。学習は、子供たちの共同作業で成り立ちます。多くの学校で今必要とされているのは、教科書という殻の中に子供たちを孤立させるのではなく、もっと色んな人や物事と繋がりを持たせることなのです。我々は自分の生活がいかに他の人たちと関わりあっているのかを深く理解する必要があり、これはテストのために教科書の内容を暗記しても学べるものではないのです。この暗記型学習により、教科書内の他の単元から孤立させられ、周りの人からも孤立させられてしまうのです。
 学校では共同作業の経験がフォーカスされる必要があります。私たちはこれからもテレビや電子機器を使い続けることでしょう。しかし少なくとも、学校では他の人や他の人の考えを繋げていく経験を持つことにフォーカスしていくようシフトしていくべきなのです。


広島インターナショナルスクール