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小児の栄養・その1~肥満についてお話します。


●はじめに
 小児の肥満は、成人の肥満に移行するといわれています。BMI(Body Mass Index)は幼児期に減少し、5~6歳で増加に転じます。この現象が早い時期に起こると、将来肥満になりやすく、糖尿病、高血圧、高脂血症を発症しやすくなります。食事、運動、睡眠など生活習慣の獲得は、幼児期に始まっており、この時期からの肥満対策が望まれます。

●要注意な肥満症
 身長、体重曲線が大切です。肥満度[(実測体重-標準体重/標準体重)×100]30%以上、腹囲が小学生75㎝以上、中学生80㎝以上、腹囲/身長比≧0.5の場合、肥満対策が必要です。

●肥満症に対する運動療法
 適度な運動は、小児の心身の発達に欠かせません。消費エネルギーを増やし、内臓脂肪蓄積に伴うインスリン抵抗性を改善させます。運動不足の原因となるゲーム、テレビ、電子メディアの時間を減らし、毎日60分以上体を動かすようにします。ウォーキングなど有酸素運動を基本とし、球技、水泳、軽いジョギング、縄跳び、自転車こぎなど、好きな運動を楽しんでできるように工夫します。幼児期には、外遊びを十分にさせましょう。

●バランスのよい食事
 主食1品、主菜1品、副菜2~3品、三大栄養素は、炭水化物50~60%、蛋白質15~20%、脂質20~25%に。炭水化物では、ご飯類、芋類、菓子類から減らし、給食の牛乳以外はノンカロリー飲料にして、ジュース、清涼飲料水を控えます。食事開始後早めに、食物繊維が豊富な海藻、キノコ、野菜を摂取すると、糖質の吸収は緩やかになり、具だくさんの味噌汁やスープがおすすめです。蛋白質では、牛肉、豚肉より低脂肪の鶏肉に、魚、豆類、乳製品からも摂取します。脂質では、飽和脂肪酸(乳製品、肉類)やトランス脂肪酸(マーガリン)の摂り過ぎに注意し、不飽和脂肪酸(魚類、植物性油脂)の摂取を増やします。ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しないように、緑黄色野菜と淡色野菜をバランスよく摂りましょう。

●生活習慣と食習慣での注意
 ①早寝・早起き(睡眠不足は肥満に関係) ②朝食を抜かず、夕食の配分を少なく、21時以降の夜食を避ける ③よく噛んで食べる ④だらだら食べ、ながら食べをしない ⑤孤食を避け、家族で食卓を囲む ⑥食事は多めに作らず個別盛りにし、茶碗を小さくする ⑦食べ終わったらごちそうさま ⑧おかわりとデザートの習慣をやめる ⑨家の中にジュース、お菓子を置かない ⑩ごほうびに食べ物を使わない

●おわりに
 小児では、骨、筋肉の成長、脳への影響のため、過度の食事制限は要注意です。身長が伸びる分、体重の維持を目標にするとよいかもしれません。体重、腹囲も含めた自己管理チェックリストを作ると、やる気が出て目標に近づくことができます。食事制限、運動療法は、子どもだけでなく、家族ぐるみで取り組み、家族みんなの健康を考える機会にしたいですね。

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