cocoro_tittle

熱中症についてお話しします。

●はじめに
 昨年の夏、太平洋高気圧とチベット高気圧が、ともに日本付近に張り出し、各地で40℃を超える猛暑を記録しました。これに伴い、熱中症の患者が急増しました。表1の最近4年間の比較でも、昨年の熱中症がいかに多かったかがわかります。年齢区分別では、高齢者48.1%、成人37.0%、少年(7~17歳)13.9%、乳幼児1.0%で、例年と同じ傾向でした。

熱中症に関する表_1-2


●熱中症とは
 気温が高い環境において、体温の調節機能が働かず体温が上昇し、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、めまい、けいれん、頭痛、意識障害などの症状を起こします。表2に熱中症の重症度分類を示します。子どもでは、暑熱環境でのスポーツ、ベビーカーでの地面からの輻射熱、自動車内の乳幼児の放置に注意しましょう。

●熱中症の処置
①涼しい場所に避難する
②衣服をゆるめ、体を冷やす(首、脇、そけい部など)
③水分、塩分を補給する
④足を高くして休む
⑤ぐったりして、水分が摂取できず、意識障害がある場合は病院へ

●熱中症の予防対策
部屋の温度を定期的にチェックし、エアコン、扇風機を使用して、室温が28℃を超えないようにします。のどが渇く前に、こまめに水分摂取をしましょう。外出の際は、体をしめつけない涼しい服で、日傘や帽子で日よけ対策をします。普段から体力づくりとバランスのよい食事を心がけましょう。熱中症の予防には、豚肉、納豆、モロヘイヤ、枝豆、にんにく、梅干し、さらに塩をかけたバナナやスイカが勧められています。

●水分摂取について
 熱中症の予防には、5~15℃の経口補水液、冷たい味噌汁がよいでしょう。スポーツ飲料は糖分が多く、塩分が少ないのが問題で、牛乳は体温を上げ、発汗を増やすので要注意です。普段の水分摂取には、麦茶、緑茶の氷だしがお勧めですが、塩分が不足するため、熱中症の予防や治療には不適切です。

●おわりに
 気温が急に上昇する5月でも、暑さに体が慣れていないため、熱中症は発生します。暑さに慣れる8月下旬からは、むしろ熱中症は減少します。朝食抜き、睡眠不足、持病のある人や病み上がり、熱中症の既往などは、熱中症の危険因子になります。熱中症の予防対策、応急処置について、学校や家族でも情報を共有して、十分に話し合ってみましょう。

こころ・チャイルド・クリニック